【コラム】日本はどのようにしてプリツカー賞の常連になったか(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2019.03.21 08:03
そこにはまさに「失われた20年」があった。バブル経済が消えて低迷したこの期間に日本社会は建築で贅肉を削ぎ落とし、建築家は爪を研いだ。ミケランジェロの言う「浄化された余剰」だ。豊かだった80年代ではなく窮乏した時期にむしろ価値の高い作品が建てられ、今の日本建築全盛期を謳歌することになったのはアイロニーというべきか。
いやいや、とんでもない。芸術性の根源であるアバンギャルディズムはもともと貧困を糧とする方法で、物質的豊かさはかえって刃をなまらせる。ナチスから逃れて米国に渡った近代建築のアバンギャルド精神が終局には資本主義の効率性と斬新性を宣伝する機械美学として制度化された場合が代表的な事例だ。