【時論】なぜ韓国には浅薄で権威的な公共建築物ばかりあるのか(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2018.11.22 13:16
設計公募審査結果に不服として審査委員長が辞任する初めての事態が起きた。10月の政府世宗(セジョン)新庁舎懸賞公募審査で起きたことだ。審査委員長である建築家のキム・インチョル氏は「出来レースの公募だ」と主張する。発注元である行政安全部と行政中心複合都市建設庁が自分たち好みの高層型庁舎を当選させるため偏向的な審査委員構成をし、こうした意向を随時伝えていたということだ。これに対して行政中心複合都市建設庁は驚いた。国土交通部設計公募運営指針を順守して委員を構成し、委員長も同意した手続きの通りに進めたのに後になってから言いがかりを付けていると反論した。建築団体が声明を発表し国会と国家建築委員会でも関心を見せるなど議論はふくらんでいる。
建築界と多くの国民は発注機関の潔白主張を本気で受け取っていないようだ。官庁に対する根深い不信のためだ。2013年に100人の建築専門家と記者に「解放以降最悪の建物」を選ばせたことがある。ソウル市新庁舎が39票で圧倒的1位となった。文化公報部長官の好みに合わせ笠の形の屋根をのせた芸術の殿堂が後に続き、10位以内に入った8件が公共建築だった。