米国はレアアース、中国は原油…貿易戦争の直前に除いた理由は?

米国はレアアース、中国は原油…貿易戦争の直前に除いた理由は?

2018年09月20日13時40分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
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  米国政府が24日から追加関税を適用する2000億ドル(約22兆円)規模の中国産製品目録からレアアース(希土類)を除いた。レアアースは米通商代表部(USTR)が7月に公開した追加関税適用品目草案に含まれていたが、17日に発表した最終目録からは抜けた。

  レアアースはスマートフォンから電気自動車まで先端技術製品に必須の原料として使用される金属だ。英フィナンシャルタイムズ(FT)は「レアアースを削除した決定は米国が中国産レアアースにどれほど依存しているかを示している」と伝えた。

  USTRが発表した関税適用対象は当初の6031品目から5745品目に縮小された。中国に圧力を加えるために追加関税を適用する計画だったが、検討の結果、むしろ米国に不利に作用する可能性がある300品目を削除した。

  対中国貿易における米国のアキレス腱といえる。米国に対抗する関税武器を使い果たした中国が今後、これを交渉のテコに活用するかどうかに関心が集まる。

  専門家らはレアアースが最初にリストに含まれたのが意外だと評価する。米国の産業は中国産レアアースへの依存度が高いからだ。

  レアアースは熱と電気をよく通すため電気・電子・光学分野で広く使用される。米地質調査所(USGS)によると、米国が昨年輸入したレアアース全体の78%が中国産だった。

  エストニア(6%)、日本(4%)、フランス(4%)からの輸入は少ない。中国は世界最大のレアアース生産国だ。世界の消費の80%を供給し、世界埋蔵量の37%を占める。

  デジタル映写機に使用する高圧ランプを生産している米企業ライティングテクノロジーインターナショナルは先月、USTRに「レアアースを除いてほしい」と請願した。同社は「レアアースを(中国以外の)他の国から調達するのは不可能に近い」とし「レアアースなど核心原料に追加で関税を適用すれば海外企業との競争で淘汰され、結局、会社が倒産することになる」と主張した。

  USTRは製鋼に使う天然黒鉛、合金の生産に使用するアンチモン、原油・ガス掘削に必須のバライトのような金属も除いた。各品目で中国産が占める比率は60-70%程度だ。

  米国が直前に関税対象から除いた品目には人の髪の毛、ベビー用カーシート、イブプロフェン(消炎鎮痛剤の成分名)、100年以上の骨董品、一部の化学薬品などが含まれたと、香港サウスチャイナモーニングポスト(SCMP)は伝えた。

  中国が世界最大の輸出国であったり該当製品を供給する数少ない国である場合がほとんどだ。例えば中国はインドに次いで人の髪の毛を米国に最も多く輸出している国だ。

  イブプロフェンは米国の家庭常備薬アドビルの核心原料。アップルもいくつかの製品が関税適用目録から抜けて安堵している。スマートウォッチのアップルウォッチ、ワイヤレスイヤホン「AirPods」などが属するカテゴリーが最終目録から抜けた。

  戦略的に関税適用品目を調整したのは米国だけでない。中国は8月、160億ドル規模の米国産輸入品に関税を適用する際、直前に米国産原油を除いた。

  当初、米国産原油・液化天然ガス(LNG)に25%の関税適用を発表したが、実行段階で原油を除いた。それだけ米国産原油に対する依存度が高いということだと、ブルームバーグ通信は伝えた。

  中国がレアアースを米中貿易戦争で戦略武器として活用するかどうかはまだ分からない。資源アナリストのディーロン・ケリー氏はロイターのインタビューで「今後、中国がレアアースを交渉カードや戦略的なテコとして使用して米国に報復するかどうかは今後を眺める必要がある」と述べた。

  アナリストのライアン・カスティーヨ氏はFTのインタビューで「米国が購入しなければ中国では供給過剰問題が発生する」と述べ、報復の可能性は低いという見方を示した。

  中国は2010年、日本と釣魚島(尖閣諸島)をめぐる領有権紛争が生じると、日本に対するレアアース輸出を制限した。
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