韓国大法院の強制徴用判決から始まった韓日間の葛藤が破局に突き進もうとしている。日本政府が韓国をホワイトリスト（輸出審査優遇国）から除外する場合、状況は１９６５年韓日国交正常化以降、最悪になる。韓国政府がこの問題の解決のために米国政府に積極的な仲裁を要請したが、その後きしむ韓日米３国関係がむしろ浮き彫りになっている。ハリー・ハリス駐韓米国大使は昨年５月まで米太平洋軍司令官として、北東アジア地域の安保を掌握していた。韓日軍事情報包括保護協定（ＧＳＯＭＩＡ）イシューも彼の仕事だった。着任から１年を迎えたハリス大使と、先月３１日、ソウル貞洞（チョンドン）の官邸ハビブハウスで会った。

－－米国が韓日に「休戦協定（Ｓｔａｎｄｓｔｉｌｌ　Ａｇｒｅｅｍｅｎｔ）」を提案したという報道があった。

「用語も見慣れないもので、よく分からない。ただし、米国は米韓日３者関係の強化に専念するという点を申し上げたい。特に今年、米国は北朝鮮の金正恩（キム・ジョンウン）が約束を守るように圧迫し、国連制裁やその他の全てのことを遵守するようにしなければならない。アジアで韓日が共に積極的に関与せずして解決可能な経済的または安保的問題はない。韓日が対立すれば、北朝鮮非核化問題や中国による挑戦、その他の重要なイシューに対応するのが難しくなる。米国は韓日が問題を解決することを希望し、そうなるように両国を強力に促していくだろう」

ハリス大使はインタビュー中、「我々の二同盟が今のように互いに対立する状況を見守ることは苦痛だ」とも述べた。

－－韓国はＧＳＯＭＩＡ延長問題を対日カードとして検討することも視野に入れているという立場だ。

「赴任直前まで（太平洋司令官として）ＧＳＯＭＩＡ成功のために努力したのでこの問題のことはよく知っている。私はＧＳＯＭＩＡが韓日間軍事協力の成熟度を示す事例だと信じている。米国と韓国、日本の国防・安保関連の情報共有力が向上するという点で重要だ。韓国や日本が両国間問題でこの合意を破棄しようとするなら、非常に遺憾（ｒｅｇｒｅｔｔａｂｌｅ）だと考える。そんなことが起きることになれば遺憾だ」

ハリス大使は「日本政府がそれ（ＧＳＯＭＩＡ）に対してどのような立場を話したのか、康京和（カン・ギョンファ）外交長官がどのように言及したのかも見た」とし「しかしそれが実際の議論や考慮対象なのかは彼らに確認しなければならない」と話した。菅義偉官房長官は先月２９日、「日韓関係が非常に厳しい状況にあるものの、連携していくべき課題はしっかり連携していくことが重要だ」としてＧＳＯＭＩＡ延長の意志に言及した。続いて康京和長官はその翌日、国会で「今は維持の立場でも、今後の状況によっては検討する可能性がある」と明らかにした。

－－中国・ロシアの合同演習、韓国防空識別圏（ＫＡＤＩＺ）無断進入と領空侵攻があった。韓国戦争（朝鮮戦争）以降で初めてとなる。

「米国は同盟国である韓国と日本がそのような挑発に対応したことを支持し、両国と緊密な協力を維持している。韓日間の葛藤を利用しようとする狙いだったかどうかは分からないが、はっきりしていることは、他の国々が我々同盟国間の隙間（ｇａｐ）を広げないように、両国が問題を解決することがどれほど重要なのかを浮き彫りにしたという点だ。これは米国にも影響を与えるためだ」〔ハリス大使は独島（トクド、日本名・竹島）を米国地名委員会（ＵＳＧ）の公式名称である『リアンクール岩礁』と話した〕


ハリス駐韓米国大使「米の二同盟である韓日の対立を見守るのは苦痛」（２）