米国現地で韓国製紫外線遮断剤（日焼け止めクリーム）の買い占めの動きが感知されている。トランプ発の関税爆弾による価格上昇懸念のためだけではない。関税を回避しようと韓国企業が日焼け止めを米国で生産する場合、医薬品の規制を受けて品質が落ちる場合があるといううわさのためだ。

１３日、化粧品業界によると、Ｋビューティー企業は韓国製日焼け止めクリームの人気を喜びながらも米国消費者の誤解を解くために苦悩している。韓国製日焼け止めクリームの品質が高さは米国食品医薬局（ＦＤＡ）の規制を受けていないからだという誤った認識のためだ。

１０日（現地時間）、ワシントン・ポスト（ＷＰ）は韓国製日焼け止めクリームの買い占め現象を紹介して「日焼け止めクリームを化粧品に分類している欧州・アジアとは違い、米国では日焼け止めクリームに医薬品規制を適用している」とし「このため米国では優れたテクスチャの日焼け止めクリームを作るのは難しい」と説明した。

だが、韓国の中小ビューティーブランド製品を生産するＯＤＭ（メーカー開発生産）企業はすでに米国の規制を踏まえた日焼け止めクリームを生産・輸出している。韓国コルマー側は「昨年生産した米国輸出用認証規定（ＯＴＣ）日焼け止め品目数が前年より８８％増加した」とし「医薬品基準をクリアしながらも従来のテクスチャののびの良さを保つことができるように製品を開発した」と説明した。コスマックス側も「米国だけでなく韓国工場もＦＤＡの実態調査、ＯＴＣ適合判定をすべて経た」とし「韓国日焼け止め製品のテクスチャの種類が豊富で海外で人気を得ている」と話した。

日焼け止めクリームはＫビューティー人気を真っ先に牽引（けんいん）した製品だ。しっとりとして肌の上でよく伸びるうえ、他のメイクアップ製品を重ね塗りしても浮かずにうまくなじむためだ。価格が安いことも人気の主要要因の一つだ。

業界は関税余波にも日焼け止めクリームの人気を維持するために戦略を模索している。主要ＯＤＭ企業は米国現地生産設備を活用して価格競争力を維持するという戦略だ。韓国コルマーは上半期中に米国ペンシルベニア州に用意した第２工場を稼動して日焼け止めクリームと基礎化粧品を生産する予定だ。現在１億８０００個程度の北米法人生産量を３億個まで拡大する計画だ。コスマックスもニュージャージー工場の日焼け止め生産品目を３倍以上拡大する計画だ。

高いコストパフォーマンスを前面に出したＫビューティー企業は品質競争力を中心にマーケティング戦略を再点検中だ。中小化粧品企業関係者は「Ｋビューティーは韓流ブームと機能性、天然材料などの強みが重なって人気を呼んだと考える」とし「長期的にブランドイメージをより一層高級化して輸出国を多角化する戦略を構想している」と話した。