【コラム】金正恩委員長の危険な賭け(1)
ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版2024.11.03 10:25
金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の賭けが北朝鮮自らに、そして韓半島(朝鮮半島)と国際安保状況に深刻な危機を招いている。金正恩委員長は昨年12月30日に南北関係を「敵対的な両国関係」と規定した。先代から受け継いできた「民族統一」路線を廃棄処分しすべての政治的象徴物も破壊した。これで北が南側を攻撃する時に同族を攻撃したという心理的政治的制御装置を除去してしまった。その結果韓半島危機はより一層高まった。
こうした新しい対南戦略が果たして成功するだろうか。1990年代中盤の苦難の行軍以来、北朝鮮住民は最悪の経済難を体験している。経済を生かす根本対策の代わりに、時代錯誤的な「自力更正」を叫び、数十年間習熟してきた「民族統一」の代わりに突然な「敵対的両国論」を突きつけたため、これが住民らにしっかり浸透するわけはないだろう。