日章旗に覆われてはならない「記録の男」孫基禎(2)
ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版2024.08.11 13:23
残念なことだが残っている資料は1936年にベルリンで孫基禎が韓国人という事実は秘密ではないということを示してくれる。陸上専門紙は孫基禎が京城(現ソウル)の養正高等普通学校出身という日本の関係者の話を引用して報道した。日本人を意識してのことかもしれないが、孫基禎は自身に対して積極的に説明しない。選手村情報誌は孫基禎が「とても寡黙で10分に一度やっと話をするほどだった。彼は故郷であるKoreaで訓練した内容について話した」と書いた。
このように鮮明な断層の向かい側に忘却が座を占めている。五輪精神に照らして最も高貴な価値かもしれない勝利者に対する尊重と崇拝を見つけることができないのだ。孫基禎は世界最高記録保有者としてベルリンに行き、五輪新記録打ち立てて金メダルを獲得した。彼が立てた記録の価値、世界最高のマラソンランナーが受けて当然な名誉を「植民地青年の悲哀」と「日本はまだ孫基禎が日本人であるかのように紹介している」という韓国人の憤怒の向かい側のどこから見つけるべきか。優れたマラソンランナー孫基禎の実際の競技内容と関連した情報すら悲哀と憤怒の次元を抜け出すことができない。その結果、時には伝説が、時には確認できない誇張と歪曲が事実かのように流通する。例を挙げてみよう。