米国の年内利下げに対する期待が回復している。雇用市場が予想より弱まり財界関係者がハト派（通貨緩和選好）的な発言を相次いでしている。

市場は国際通貨基金（ＩＭＦ）のゲオルギエバ総裁の発言に注目した。ゲオルギエバ総裁は６日、米ロサンゼルスで開かれたミルケン研究所グローバル・カンファレンスでの対談で、「今年米国のインフレは目標値の２％まで下落し利下げも始めるだろう」というバラ色の見通しを出した。米国の通貨政策変化の足を引っ張る物価が徐々に安定すると予想するという意味だ。

今後の米国経済も楽観した。ゲオルギエバ総裁は「強い労働市場と人工知能（ＡＩ）に必要なエネルギー資源など現在すべてのものが米国経済に有利だ」と話した。続けて「揺れる物価は米国企業の手にかかった側面もある。供給網を回復することがインフレを低くするのに重要な役割をする」と説明した。

米連邦準備制度理事会（ＦＲＢ）関係者も相次いで利下げの可能性を示唆した。ＦＲＢのナンバー２と呼ばれるニューヨーク連邦準備銀行のジョン・ウィリアムス総裁はこの日、ミルケン研究所のカンファレンスで「現在の通貨政策が非常に良い位置にある。結局利下げがあるだろう」と話した。彼は「データを通じてインフレと経済のバランスが望む方向に進むならば利下げの意思決定を下すだろう」と話した。

連邦公開市場委員会（ＦＯＭＣ）委員であるリッチモンド連邦準備銀行トーマス・バーキン総裁もこの日、コロンビア・ロータリークラブでの演説で「金利引き上げ効果がまだすべて出ていない。現在の金利が需要を抑制し物価上昇率を目標水準（２％）に戻せると楽観している」とした。

利下げ回数に対する市場見通しも変わった。７日午後２時基準でシカゴ商品取引所（ＣＭＥ）のＦＥＤウォッチによると、市場は１２月までにＦＲＢが金利を０．２５％ずつ２度にわたり引き下げるのを最も有力なシナリオとみている。１週間前までは１２月までに１回の引き下げの見通しが最も大きかった。

ただ、最近の雇用指標だけで米国の利下げを確信するのは早いという解釈もある。コンファレンスボードのエコノミスト、ウィル・バルトラス氏は「企業が依然として労働力不足問題に直面しており、今後数カ月間に相当な規模の雇用損失が発生する可能性は少ない」と話した。米国の労働市場は依然として堅固という意味と解釈される。