４月１０日に行われた韓国総選挙期日前投票の時、投票用紙が一度に二重で出力された事例があった。選管委は現場でこれをすぐに確認した後、手続きにより別途封筒に入れて封印、保管中だ。

選管委は５～６日に実施された総選挙期日前投票当時、一部の投票所で投票用紙が一度に２枚出力された重複出力事例を合計２８１件確認した。投票用紙は現場で投票参観人が選挙人の身分証を確認した後投票用紙印刷機器で地方区１枚、比例代表１枚をそれぞれ出力して交付する。選管委によると、一部の投票所で投票用紙発行ボタンを押すと先に出てくる管外期日前投票または地方区投票用紙が二重で出力されたという。比例代表投票用紙では二重出力事例がなかった。

選管委関係者は「全数調査の結果、全体地方区投票用紙発行件数１３８７万９０００件余りのうち２８１件（０．００２％）が重複出力された」とし「２枚プリントされた場合、現場で１枚だけ交付してもう１枚は別途の封筒（毀損あり投票用紙保管封筒）に保管した後、該当の内容をすべて期日前投票録に記載した」と明らかにした。２枚の投票用紙を受け取った有権者はいなかったという説明だ。

二重出力の原因は投票用紙印刷機器のエラーだったという。選管委によると、全体期日前投票装備１万６９００台のうち２７９台でこのようなエラーが発生した。選管委は期日前投票初日、このような事例を確認して各市・道選管委に「事前投票用紙交付時に出力状態および数量を徹底的に確認してほしい」という内容の公文書を発送した。選管委関係者は「同じ装備で繰り返して二重出力が現れることはなかった」と伝えた。

４・１０総選挙期日前投票率は３１．２８％で、歴代総選挙のうち最も高かった。しかし期日前投票に対して「操作の可能性がある」という声も依然とある。期日前投票初日の４日、ＳＮＳなどで「実際の投票人の数字よりも選管委サーバーに記録された数字のほうが多い」という疑惑が提起されると、行政安全部が「ごく少数の選挙人のミスなどによる１０件余りの事例を除けば電算上記録が一致する」とし「事実と異なる」と説明した。

韓国政界では「過去、選管委が選挙のずさん管理によって苦労した前例があることから、有権者の疑心暗鬼を事前に解消するためにもより徹底して選挙管理に臨まなければならない」という指摘が出ている。選管委関係者は「投票用紙の二重出力に対して正確な原因を把握し、今後選挙でこのような事例が発生しないように対策を用意する計画」と話した。