昨年フランスの１０代少年が警察の銃に撃たれて亡くなったことを導火線として仏全土で発生した暴力デモの被害規模が約１０００億円を超えたことが確認された。

上院法制司法委員会が発表した関連報告書によると、このデモの後に保険会社に届出があった保険金請求規模は合計１万６４００件、７億９３００万ユーロ（約１３００億円）に達すると日刊ル・パリジャンが１１日（現地時間）、報じた。

昨年６月２７日、パリ郊外のナンテール市で警察の制止を振り切って逃れようとしたアルジェリア系１０代の少年が警察官が撃った銃によって亡くなると、仏全土では警察の過度な公権力執行と人種差別に抗議する暴力デモが広がった。

デモは６月末から７月初めまで続いて暴動水準まで過激化し、この過程で警察署・憲兵隊２７３カ所、市庁・区庁など１０５カ所、学校２４３カ所など公共建物が放火されたり破壊されたりした。

また、たばこ販売店４３６カ所、銀行３７０カ所、食品店２００カ所、衣類ショップ２００カ所、メガネ店１１８カ所など破損・略奪の被害を受けた商店も相当数報告された。

報告書は全体約２５０８軒の建物と車両１万２０００台がこのデモで被害を受けたと集計した。

当時デモに参加して逮捕された３５００人の平均年齢は２３歳で、このうち３分の１が未成年者だったことが確認された。

上院法司委は今後類似の暴力デモを防止するには、まずデモ隊が武器で使える爆竹のオンライン販売はを禁止し、オフラインショップに限って許可しなければなければならないと注文した。

またＳＮＳが暴力デモの拡散に影響を及ぼしたとみて、これに対する規制方案も提示した。例えば非常事態が宣言された場合、各地方自治団体長が一定期間ＳＮＳの位置追跡やライブ配信など特定機能を中断してするようプラットフォームに要請することができるようにしようというものだ。