【コラム】医政衝突で表れた大韓民国の素顔(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2024.03.26 14:37
1950年に韓国戦争(朝鮮戦争)が始まると、ソウル大病院は「阿鼻叫喚」だった。北朝鮮軍が南侵4日目の6月28日、病院の前にまで迫った。医療従事者は負傷者を残して離れることができなかった。治療を続けた。しばらくして北朝鮮軍が国軍阻止線を突破して病院に乱入した。負傷者と医療従事者に片っ端から銃撃した。約900人が命を失った。生き残った医療従事者は連行された。公開処刑にされたりもした。6・25ソウル大医学部虐殺事件だ。追悼碑がソウル大病院にある。
いかなる理由であれ、今回の医政衝突で研修医が救急室・集中治療室・手術室を離れたのは遺憾だ。先輩たちが命をかけて守ったところをあまりにも安易に放棄した。患者に背を向ける態度に国民は驚いて失望した。患者が自分の家族だと考えていればそのようにしていただろうか。重症・急病患者だけでも交代で守っていれば、より多くの応援を受けたはずだが、残念だ。患者に対して謝意を抱かなければいけない。先週パン・ジェスン全国医大教授非常対策委員長が「国民なしに医師もないことを忘れていた」と述べた。謝罪があまりにも遅かった。誠意が感じられなかった。国民と医師の間の深い傷と不信は長く残るだろう。