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【リセットコリア】トランプ再選は韓国に大きな機会になるかもしれない

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2024.03.04 15:46
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熾烈さを増す米中競争とロシアのウクライナ侵攻、イスラエル・ハマス戦争、アフターコロナの経済的影響、気候変動の挑戦、さらに北朝鮮の繰り返される挑発まで。世界はいま、未来が極めて不透明な複合危機の時代を迎えている。

韓国のような中堅国の立場では懸念される状況だ。米国や中国のような強大国は実質的な行動の自由を有しているが、中堅国は対応的な外交・経済政策を展開せざるを得ない考えることができる。だが、新たな危機には新たな機会が来るはずだ。特に韓国は国際情勢によって作られた「複合機会」を掴むことができる良い位置にある。

 
米国と中国間の経済・技術競争を例に挙げよう。韓国の政策立案者と企業家は貿易開放と世界貿易機関(WTO)規定に伴う多国間主義を強力に支持している。しかしこの世界はしばらくの間は過去には戻らない。経済安保とデリスキング(中国と経済協力を維持しながら危険要因を除去すること)は単なる流行語ではない。米国・中国・欧州連合(EU)など「ビッグ3」の産業政策がリードする世界経済の現実だ。

表面的には、これは韓国に苦境を陥れるように見えるかもしれない。しかし統計は別の様相を見せている。韓国産業通商資源部によると、韓国は昨年187億ドル(約2兆8100億円)の記録的な海外投資を誘致し、327億ドルの記録的な投資の約束を引き出した。海外投資家が韓国に最も多く投資した分野は半導体・バッテリー・船舶・自動車のような先端技術部門だ。外国企業・政府は韓国企業が世界経済成長を主導する核心部門で今でも世界最高水準だが、今後もそうだと楽観するということだ。

サムスンとASMLが韓国に先端半導体工場を建設するために7億6000万ドルを投資すると発表した事例を例を挙げてみよう。過去、ASMLのような企業は人件費など費用を基準として中国や東南アジアと競争することはできない韓国に投資することは躊躇しただろう。しかし市場要因よりも政治が経済的意思決定の中心となり、韓国は革新主導的で安定的経済環境のおかげでより魅力的なパートナーとなった。尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が昨年12月、オランダASMLのクリーンルームを訪問した最初の外国首脳になったのは偶然ではない。外国政府・企業にとって韓国を支持することは最優先課題になった。

韓国の増加する武器輸出も現在の複合危機環境が戦略的にスマートで製造業基盤が強い中堅国に絶好の機会になる点を見せている。韓国国防部の推定によると、韓国武器メーカーは昨年140億ドル相当の契約を締結して史上2番目を記録した。2022年には史上最高となる173億ドルの武器輸出契約を結んだ。また、昨年輸入業者は3倍、武器システム販売は2倍に増加するなど顧客がさらに多様化した。

欧州はロシアのウクライナ侵攻とロシアのさらに強まった攻撃性に依然と警戒心を持っている。中東ではイスラエルとハマス戦争、紅海では商業用船舶を威嚇するイエメンのフーシ派の攻撃などで数カ月にわたる混乱が続いている。ポーランドやエストニアを含む北大西洋条約機構(NATO)加盟国とサウジアラビアやアラブ首長国連邦(UAE)を含んだ中東諸国が韓国と武器輸入および防衛協定を強化するのは驚くことではない。そのうえ最近オーストラリアやマレーシアなど中国の圧迫を感じている国々も韓国の武器メーカーに依存している。

このような点でトランプのような信頼できない米国大統領が再就任するという展望と世界のさまざまな地域の不安が一つになるなら、韓国には危機ではなく大きな機会につながる可能性がある。それが国内政治の影響を受けない主要分野で政府と民間企業が長期的に協力することの核心的利点だが、韓国はこの部分で卓越している。

したがって韓国は単に強大国の気まぐれや不安定なグローバル環境に絶えず反応しなければならない「将棋盤の卒(最も弱い駒)」ではない。不安定な世界でその役割を果たす中堅国の模範といえる。尹大統領が表明したグローバル中枢国家と言うことができる。どのような名称で呼ぼうが、韓国は複合危機の世界がもたらす複合機会にうまく乗った国だ。

ラモン・パチェーコ・パルドー/英ロンドン大学キングス・カレッジ教授/ブリュッセル自由大学KF客員教授

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    [イラスト=キム・ジユン]
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