【時視各角】韓国は日本のようにトランプタワー会談は可能か
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2024.02.01 10:37
#1 「彼は当選者であるに過ぎません。ワシントンに米国大統領はただ1人です」。2016年11月8日トランプ氏が大統領に当選した直後。日本政府が「安倍-トランプ」会談を模索するとオバマ・ホワイトハウスはすぐさま反応した。当時の関係者Aから最近聞いた裏話だ。ホワイトハウスは激怒したが、安倍氏はむしろ急ぐように催促した。理由は2つ。1つ目は、同年9月安倍氏はニューヨークでヒラリー氏と会った。ヒラリー当選の可能性が80%以上という官僚の報告を過信していた。トランプ氏の気持ちをこちらに向けなければならなかった。2つ目、安倍氏は過激な指導者を扱うことに自信があった。「トランプはプーチンと似ている。そのような『ワンマンプレーヤー』は早いうちに丸め込んでおくのが正解」と話した。
安倍氏の強攻に驚いたオバマ・ホワイトハウスは4つの条件を掲げた。▽ワシントンでは会わない▽1時間を超えない▽食事はしない▽同席者は置かない。だが、安倍氏は2つ(場所、食事)は受け入れて、2つ(時間、同席者)は断った。このような安倍氏の計算された破格行動に、ニューヨーク・トランプタワーの入口に出迎えにきたトランプ氏の長女(イバンカ氏)と婿(クシュナー氏)は手厚い歓待で応じた。当時イバンカ・クシュナー両氏とエレベーターに一緒に乗った同席者Bの証言。「エレベーターの中で安倍がイバンカに『アラベラちゃん(イバンカの娘)』がピコ太郎(日本コメディアン)の歌とダンスが上手とのことですが』と話しかけるとイバンカ夫婦はとても喜んだ。それから68階の会談会場に入ると同時にトランプ氏に『この方(安倍)は、私が一昨日インスタグラムに投稿したアラベラのピコ太郎のダンスを見たそうなの』と話したのだった。その瞬間、トランプ氏の顔がほころんだ。成功を確信した」。会談後、マンハッタン・インターコンチネンタルホテルで見た安倍氏の意気揚揚とした表情をまだ覚えている。指導者の決断、官僚組織の熾烈できめ細かなサポートが安倍-トランプ蜜月の出発点となった。