英国の８歳の少女セイディは最近、スキンケアに没頭している。動画プラットホーム「Ｔｉｋ　Ｔｏｋ」などでよく言及される有名な化粧品をいくつか購入し、毎日、顔に塗っている。１個あたり最高６０ポンド（約１万１３００円）もする化粧品だが、母に頼んで買ってもらったという。

母ルーシーは先月末、ＢＢＣ放送に「学校の友達の大半がこのスキンケア化粧品を使用していて、自分だけなければ疎外感を感じると思って、やむを得ず買うことにした」と明らかにした。

ところがすぐに肌が赤くなってかゆくなり、化粧品の使用をやめた。しみとしわの除去に役立つというアルファヒドロキシ酸（ＡＨＡ）、ベータヒドロキシ酸（ＢＨＡ）、レチノールなどが含まれたこの化粧品は、肌の老化が本格的に進む３０代以上向けの商品だ。幼いセイディの肌には合わなかったのだ。

小児皮膚科専門医のテス・マクファーソンはＢＢＣに「最近、子どもたちの間で流行しているスキンケア化粧品の多くは成人に適した老化防止製品であり、子どもが使用すれば湿疹・アレルギーなどが生じることがある」と警告した。皮膚科専門医のブルック・ジェフィ氏は「１１歳の女児がレチノール成分の化粧品を使用して目の周囲に発疹があったが、使用を続けてひどくなり治療に１カ月かかった」と伝えた。

◆老化予防化粧品に夢中の８－１２歳

この数カ月間、英国・米国・カナダなどでは８－１２歳の「セフォラキッズ（Ｓｅｐｈｏｒａ　Ｋｉｄｓ）」の間で老化防止化粧品が流行している。セフォラキッズは世界最大ビューティーショップのセフォラで化粧品ショッピングを楽しむ１０代の少女を意味するＳＮＳ用語だ。「Ｔｉｋ　Ｔｏｋ」で「セフォラキッズ」ハッシュタグ（＃）累計照会数は３億回を超えたと、カナダＣＢＣ放送は伝えた。

現地メディアによると、主にリップスティック・アイシャドウなどの化粧品に向かっていたセフォラキッズの関心が最近、老化防止用基礎化粧品に移った。米投資銀行パイパーサンドラーの昨年１０月の報告書によると、１０代の９２００人を対象に調査した結果、スキンケア製品関連の支出は前年比で１９％増えた。

ＵＳＡトゥデイは「子どもたちがスキンケアにこれほど執着したことはなかった」と伝えた。セフォラのある店員は「Ｔｉｋ　Ｔｏｋ」で「１０歳の少女が成人用スキンケア化粧品９００ドル（約１万３４００円）分を買おうとしたが、母に叱られて５００ドル分だけ購入した」と話した。

これに関連しＣＢＣは、著名人キム・カーダシアンの娘ノース・ウェストが２０２２年に「Ｔｉｋ　Ｔｏｋ」に、成人が主に使用するスキン・マスクパックなどスキンケア製品を使用する映像を載せて流行したとみられると伝えた。当時、ウェストは９歳だった。ウェストは母からシャネルやルイヴィトンなどのプレゼントを受け、子どもたちの羨望の対象になった。

その後、子どもたちが成人用スキンケア化粧品を使用するインフルエンサーの映像をよく見るようになった。インフルエンサーのしわのない肌を見ながら、この化粧品を使用してこそ肌が美しくなると認識したと、ガーディアンは指摘した。

英国の皮膚科専門医アンジャンリ・マト氏はデイリーメールに「最近の１０代は早期老化を過度に心配している」と懸念を表した。皮膚科専門医エマ・ウェジワース氏も「子どが自分の肌をインフルエンサーと過度に比べながら精神健康まで害している」と心配した。専門家らは子どもに必要なスキンケア用品は洗顔用品、軽い保湿剤、紫外線遮断剤ほどだと指摘した。

「老けたくない」と母に化粧品代せがむ…アンチエイジングに夢中の小学生（２）