米放送局のＨＢＯが看板ドラマに出演予定だった俳優を「親ロシア的」との議論を受けてキャストから外され当事者が反発している。

ＡＦＰ通信などが３日に伝えたところによると、ＨＢＯは今月から始まるブラックコメディドラマ『ホワイトロータス・シーズン３』にミロシュ・ビコビッチは出演しないと明らかにした。

ＨＢＯの広報担当は「ミロシュ・ビコビッチとは違う道を歩むことにした。配役を改めてキャスティングするだろう」と伝えた。

ビコビッチはセルビア出身で、２０１８年にロシアのプーチン大統領がロシア文化に寄与した功労に与える「プーシキンメダル」を受賞し、２０２１年にはロシア国籍を取得した。

彼は２０２２年２月にロシアがウクライナを侵攻して数日後に、自身のインスタグラムにロシア語とセルビア語で「どちら側であれ戦争と流血事態は世界和合と愛から人間性がどれだけ遠くにあるかを思い起こさせる。神が危険にさらされたみんなの命を助けますように」と書いた。

彼はこれまで多くのロシア作品に出演しており、ロシア文化を称賛する発言を続けてきた。彼は今回のＨＢＯの決定に「芸術の敗北」と反発し、「私は戦争に踏みにじられた国で育った。私はだれであれそうした破壊を体験することを望まない」と反応した。