イラン軍当局者が６日、「敵との全面戦争に直面した」と発言し中東地域の緊張がさらに高まっている。この日レバノンの親イラン武装勢力ヒズボラはイスラエル北部の空軍基地にミサイル６０発を発射した。

ロイター通信によるとイラン革命防衛隊司令官はこの日「きょうわれわれは敵との全面戦争と向かい合っている」と話した。彼は「敵」を明示しなかったが、外信では米国とイスラエルを意味するとの解釈が出ている。

この日イランのタスニム通信も３日にイラン革命防衛隊がソレイマニ司令官の４周忌追悼式で発生した爆弾テロに対し「イスラム原理主義武装勢力イスラム国（ＩＳ）の背後にはイスラエルがいる」と主張した。１００人近く死亡した爆弾テロにイスラム国は自分たちの仕業だと明らかにしたが、イランは依然としてイスラエルと米国に責任があるとしている。

これと関連しニューヨーク・タイムズは「イランは今回のテロで安保の弱点が表われ大衆の憤怒に直面すると米国とイスラエルに矛先を向けている」と診断した。

こうした中、イスラエルによるベイルート攻撃でハマスのナンバー３サレハ・アルーリ氏が死亡し報復を警告してきたヒズボラは、この日イスラエル北部のメロン空軍基地にミサイル６２発を発射した。正確な被害状況はまだ明らかになっていない。

アルジャジーラは「イスラエルとハマスの戦争勃発後、ヒズボラがイスラエルに加えた攻撃でレベルが最も高かった」と伝えた。今回の報復攻撃はヒズボラ指導者ハッサン・ナスララ師が前日「レバノン全体が（攻撃に）さらされるもので、アルーリ氏死亡事件は沈黙できない」と警告してから１日ぶりに起きた。

西側は戦争拡大の遮断に向けあわただしく動いた。この日中東歴訪を開始したブリンケン米国務長官は「本当の心配はイスラエルとレバノン国境。われわれは戦争拡大を防ぐためあらゆることをしたい」と話した。欧州連合（ＥＵ）のボレル外務・安全保障政策上級代表もこの日レバノンを訪れ、「レバノンが紛争に巻き込まれる状況は絶対に避けなければならない」と強調した。

◇英メディア「ハマス、中国製武器備蓄・使用」

一方、ハマスがガザ地区内で中国製武器を大量に備蓄し使用していることがイスラエル軍の調査の結果明らかになったという外信報道が出てきた。テレグラフによると、イスラエル軍はハマスがガザ地区で小銃用望遠スコープ、Ｍ１６小銃用弾倉、戦術軍用ラジオなど中国製の軍事装備を大量に備蓄・使用しているのを見つけた。これら装備の中にはＱＢＺ突撃小銃とＱＬＺ８７自動榴弾発射機を含めハマスがガザ地区の地下トンネル内で使ったと疑われる情報通信装備なども含まれた。

イスラエル情報当局消息筋はテレグラフに「ハマスが以前には持てなかった最高クラスの武器・通信技術」と説明した。メディアは専門家の話として「問題はこれら装備が中国から直接ハマスへ渡ったのか、イランなど第三国を通じて行ったのか」と指摘した。また、今回のことがイスラエルとハマスの開戦後に冷え込んだイスラエルと中国の関係をさらに脅かす可能性があると指摘した。

中国は１９９２年のイスラエルとの修交後に経済的交流を拡大してきた。しかしこれまで米国の友好国という理由でイスラエルとは政治的に距離を置いていた。これに対しパレスチナとはかなり前から近い関係だった。１９６０年代の毛沢東時代から「民族解放運動」を支援するという名目でパレスチナに武器を送ったりもした。今回の戦争後はハマスへの非難を最小化し、自国内の反ユダヤ世論を放置しているとの指摘を受けている。