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10歳にもならないキム・ジュエにひざをつく…北朝鮮の核より深刻な4代世襲(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2023.12.27 08:34
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この1年間、10歳にもならない娘キム・ジュエの後継の準備の動きが北朝鮮内部で重要な政治現象として表れた。しかし国内外のメディアと専門家の見解の違いで、これに対する解釈はまだ整理されていない感じだ。北朝鮮体制の後継準備は現在の北朝鮮の核・ミサイル脅威よりさらに深刻な未来の脅威であるにもかかわらず、北朝鮮体制の本質的な脅威を認識して脆弱なアキレス腱を見いだすことに徹底しなかった一年ではなかったかと振り返る。



 
昨年11月18日、キム・ジュエはいわゆる「怪物級ICBM」として知られた火星17型ミサイルを発射する場所で、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長と手を握った姿で対内外に初めて現れた。北朝鮮の閉鎖的な特性上ベールに包まれていたキム・ジュエの登場は、世界の注目を集めた。しかし筆者は遊び場でもない大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射場であどけないキム・ジュエが公開される常識外れの光景にあきれたうえ、核兵器を世襲準備の道具として利用しようとする金正恩の無謀さに絶望感を抱いた。

それから3カ月も経っていない2月8日、キム・ジュエは人民軍創建75周年の閲兵式(軍事パレード)で主席壇の上席にいた。呼称も「愛する」「尊貴な」お子様から「尊敬する」お子様に格上げされ、いわゆる首領が出るような記念切手にも登場する。政権樹立75周年の9.9節閲兵式でもキム・ジュエは主席壇の金正恩の隣の席に座り、5つ星級の朴正天(パク・ジョンチョン)軍政指導部長がひざをついてキム・ジュエの耳元で話す場面も公開された。海・空軍司令部を訪問した時にも金正恩をすぐ後ろで将星の挙手敬礼を受け、金正恩と同じように握手をする姿は、ナンバー2でもできない地位の変化だった。

先月に入って北朝鮮はキム・ジュエが初めて公開された11月18日を「ミサイル工業節」に指定し、ICBM保有国の威容を見せる大事変を成し遂げた歴史的な日として記念した。続いて金正恩が注力した3回目の偵察衛星打ち上げに成功した現場にもキム・ジュエは同行した。北朝鮮の情報筋によると、これを祝う記念講演会で「宇宙強国時代の未来は朝鮮の新星女将軍により今後さらに光るだろう」とし、キム・ジュエに未来の後継者を表す「朝鮮の新星女将軍」という称号を付与したとも伝えられる。キム・ジュエは18日の火星18型固体燃料ICBM発射現場まで20回ほど金正恩と公式活動を共にした。

遅くとも2021年1月に「第1書記」を新設した第8回党大会当時までに北朝鮮の後継世襲日程が始まったとみるのが妥当だ。首領の隊列に加わる後継構図を即興的に見せる北朝鮮体制ではない。もう北朝鮮式の4代後継者世襲訓練が進行しているという点を否認しがたい状況だ。

北朝鮮のような徹底した内部統制体制は外部情報活動が制限されていて、北朝鮮がキム・ジュエの後継者内定事実を公式化する以前には直接確認するのが難しい。キム・ジュエが「第一子」なのか、それとも金正恩にいると知られる息子が「第一子」なのか、従来の情報は歪曲されたり捏造されたりしたものかもしれない。重要なのは、今までの後継準備に表れた多数の兆候を分析してみると、その中に答えがあるという点だ。もう情報不足のためではなく情報判断の問題と見るべき事案になった。北朝鮮の住民にも同じく公開して後継準備活動を既成事実化しているだけになおさらそうだ。

なら、韓国の情報機関の役割が今もまともに作動していないことを傍証する。責任を避けようという姿と誤解されかねない。いま後継関連の情報がさらに必要であり、ためらう時ではない。最近は先端メディアの発達で公開情報があふれる世の中だ。北朝鮮情報の相当部分も公開情報(OSINT)から出てくる。政府は正しい対北朝鮮政策と戦略を樹立するために、国家情報機関と安全保障部処に重要な北朝鮮情報収集要求を直接しなければならない責務もある。安保コントロールタワーの機能が持つべき基本的な専門素養でもある。情報機関が自ら判断して進めることを願う瞬間、情報は政治の都合に従属するという点に留意する必要がある。

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