北朝鮮が金正恩（キム・ジョンウン）国務委員長の娘ジュエ氏を「朝鮮の新星」「女将軍」などと称して内部的偶像化を始めた。

米政府系ラジオ・フリー・アジア（ＲＦＡ）は２８日、朝鮮労働党組織指導部が軍事偵察衛星「万里鏡（マンリギョン）１号」の打ち上げ成功を祝うため２３日に開いた記念講演会でこうした表現が登場したと平壌（ピョンヤン）の消息筋の話として報道した。

講演会では「最高尊厳の胆力により敵対勢力の軍事的企図を常時掌握する偵察衛星が宇宙に配備され、朝鮮に宇宙強国時代が開かれた。宇宙強国時代の未来は『朝鮮の新星』女将軍により今後さらに光り輝くだろう」と強調した。

消息筋はＲＦＡに「朝鮮の新星」はジュエ氏を指すとしながら「『最高尊厳』のお子様を金日成（キム・イルソン）の初期革命活動を宣伝する時に使った『朝鮮の新星』という尊称語で呼んだのは初めて」と話した。

平安北道（ピョンアンブクド）の消息筋も道幹部対象の講演会で党組織指導部が「軍事偵察衛星打ち上げ成功で共和国の地位が上がった。これにより全世界が最高尊厳と『朝鮮の新星女将軍』を仰ぎ見ることになるだろう」と宣伝したという。

ジュエ氏は昨年１１月に新型大陸間弾道ミサイル（ＩＣＢＭ）試験発射場に初めて登場し、「愛するお子様」と呼ばれた。その後「尊貴なお子様」と呼称が格上げされた。

これと関連し、韓国統一部当局者は２８日に記者らと会った席で、「統一部次元で現在まで確認できる内容はない。関係機関とともに北朝鮮の後継構図を綿密に見守っている」と話した。

２０１７年に国家情報院は国会報告で金委員長の子どもに対し「２０１０年生まれの第１子の息子と２０１３年初めを前後して生まれた第２子の娘、２０１７年２月生まれで性別が確認されていない第３子がいる」と明らかにしたが、最近になって金委員長に息子はなく、ジュエ氏が第１子という説が広がっている。