米国は原爆実験日、韓国は光復節…映画『オッペンハイマー』公開日の政治学
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2023.08.17 14:03
「原爆の父」を描いた映画『オッペンハイマー』が韓国公開初日の15日、観客55万人を動員した。今年韓国の劇場で上映された外国映画で最高のオープニングスコアだ。男性や50代観客など普段はあまり劇場に足を運ばない層の観客も多く見られたという。CGV戦略支援担当のファン・ジェヒョン氏は「普段の劇場観客は男性が40%程度占めるが『オッペンハイマー』の場合、54.5%に増えた」と説明した。
米国で先月21日に公開されたことと比べるとかなり遅れた韓国公開だ。「全世界同時公開」のようなトレンドに敏感な韓国劇場街で異例の選択といえる。なぜ光復節(解放記念日)だったか。米国ワシントン・ポスト(WP)は先月「韓国では8月15日、日本が第2次世界大戦で降伏したことを記念する光復節にスクリーン登場」としながら関心を示したことがある。『オッペンハイマー』の配給会社であるユニバーサル・ピクチャーズ・コリアは「最も多くの人が鑑賞することができる飛び石連休を選んだにすぎない」という立場だ。公開時期にはIMAX(アイマックス)上映館争奪戦回避も一因となった。IMAXカメラで撮影した『オッペンハイマー』は『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』から『密輸』『THE MOON』『コンクリートユートピア』に続く夏の大作とのIMAX上映館競争を避けて8月中旬以降を選んだという裏話だ。
映画のハイライトはニューメキシコ州アラモゴード(Alamogordo)で1945年7月16日に行われた世界最初の原爆実験「トリニティ実験」。映画ではCGを使用しない爆発場面が話題だった。米国公開はこの時期に合わせた。映画製作・配給会社は公開直前「トリニティ記念日上映行事」も開いた。ノーラン監督、ノーベル物理学賞のキップ・ソーン博士、原著『American Prometheus』でピューリッツァー賞を受賞したカイ・バード氏らが出席した。