【時視各角】地獄の門が開かれたのか=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2023.08.07 11:01
「この門をくぐる者は一切の希望を捨てよ」。ダンテの『神曲』の冒頭に登場する地獄の門に書かれた銘文だ。希望は乾いてしまい、絶望だけがうごめくようなところ、水と火の果てしない苦痛の中に閉じ込められたところに対する警告だ。その地獄の門が開かれたのだろうか。先週末、韓国社会は非常に不安な時間を過ごした。肌が溶けるような蒸し暑さ、相次ぐ「通り魔」殺人予告、さらに右往左往するセマングム世界スカウトジャンボリーまで、不快なニュースが溢れ出た。
記者も大きく変わらなかった。先週金曜日、武装警察が配置された蚕室(チャムシル)駅を通り過ぎながら、思わず全身が震えた。ひょっとしたらと思って周りをきょろきょろした。隣人を脅威の対象に感じる社会、各自が生き残らざるを得ない地獄ではないかという気がした。