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韓国に進路変更した台風6号…「スーパーコンピュータ10基の予測は全部異なった」

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2023.08.02 07:55
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中国に向かっていた台風6号(カーヌン)が韓国側に進路を変えた31日、気象庁は非常事態になった。進路を東北側に変えたのも予想外だったが、以降の進路も五里霧中だったためだ。気象庁関係者は1日、「その日、気象庁国家台風センターが混乱に陥った」と吐露した。

前日(30日)、気象庁の最新スーパーコンピュータ5号機が計算した数値予報モデルは、台風6号が3日ごろ、中国上海付近に上陸すると予告した。世界各国の数値予報モデルと同じ結論だった。

 


急に予想進路が変更され、韓半島(朝鮮半島)上陸の可能性を排除できなくなった状況で、気象庁関係者をさらに困難にしたのは、気象庁が参考にする主要国の数値モデル10個の台風終着地シナリオがそれぞれ異なる結論を下したことだった。気象庁関係者は「台風6号が中国に上陸するというシナリオから日本九州南部の海上を通るというシナリオまで予測範囲が前例になく広かった」と話した。予報官は予測モデルを再評価する過程を経て、予報内容を決めなければならない。

気象庁を困惑させた理由は様々だった。中国に多くの被害を残した台風5号(トクスリ)が中国上空で低気圧に弱まり、韓半島周辺の気圧計状況が複雑になり、大気上層から分離した低気圧渦が台風6号の進路を妨害する風を作った。気象庁関係者は「数値予報モデルが出す結果がこのように散らかっている場合は珍しくない。一日が過ぎて少しずつ結果を絞っているが、依然としてどのようなシナリオにさらに重きを置くべきか判断できる水準ではない」と話した。気象庁は1日の随時ブリーフィングで「台風6号が3日、中国東シナ海上付近に留まり進路を変え、5日ごろゆっくり北東に進むと予測する」と発表した。

気象学者たちは今後台風、ハリケーンのような熱帯性低気圧がより頻繁に、強く発達すると予測している。海水がさらに暖かくなるなど気候変動が過去より激しくなったためだ。今年6月の地球平均気温は174年の記録史上最も暑く、全世界は極端な猛暑と暴雨に苦しんだ。韓国気象庁も正確な予報に限界を示し、「気象中継庁」という非難を避けられなかった。さらに、今年は東太平洋の海水温度が上がるエルニーニョが予告されている。米航空宇宙局(NASA)ゴダード宇宙科学研究所のギャビン・シュミット所長は最近「エルニーニョは今年末に絶頂に達し、来年は今年よりはるかに熱いだろう」とし「エルニーニョの影響はまだ始まりに過ぎない」という見解を発表した。

このような状況で、韓国は本格的な台風シーズンを迎えている。韓半島を離れた台風5号は、中国に前例のないほどの大雨をもたらした。沖縄南西部海上で現在「非常に強い」水準に発達した台風6号の進路に神経を尖らせる理由だ。気象庁の資料によると、1日、韓国型数値予報モデル(KIM)は台風6号が結局韓半島に上陸するというシナリオを提示した。真っ先に数値予報モデルを開発し始め、世界的に権威のある英国型(UM)と欧州型(ECMWF)は、それぞれ韓国と日本の間で海上を通過するシナリオと太平洋から大阪方向に北進するというシナリオを出した。

最先端スーパーコンピュータを持つ米国海洋大気庁(NOAA)も6月にハリケーン予報のための数値予報モデルを追加で導入したが、ハリケーンの進路と強度予測精度が低いという評価を得ている。NOAAは2015年ハリケーンの進路を誤って予測し、サウスカロライナが大きな水害に遭ったことで世論の袋叩きに遭った。

気象庁関係者は「大気状況を正確に予測するためにはスーパーコンピュータの性能より数値予報モデル方程式と100年間に積もった気象データがさらに重要だ。しかし、最近の猛暑・暴雨・干ばつからも分かるように、過去100年間現れなかった極限の数値はスーパーコンピュータも予測できない」と話した。

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    2023.08.02 07:55
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    1日、人工衛星「千里眼」が撮影した台風6号の様子。台風の目が明らかに見えるほど強く発達した。[写真 気象庁]
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