国際原子力機関（ＩＡＥＡ）福島事務所に韓国人専門家が常駐する方案について、日本政府が１８日「現在、具体的な協議が行われている」と明らかにした。また、東京電力は「実際に放出が始まればリアルタイムデータをホームページに公開する」とした。

◇「ＩＡＥＡ事務所活動開始」

日本政府関係者はこの日、在韓日本大使館が内・外信を対象に主催した「福島海洋放出関連説明会」で「ＩＡＥＡが福島に開所した事務所にはすでにＩＡＥＡ職員が常駐して活動拠点として使い始めた」とし「韓国人専門家の常駐問題も双方で具体的な協議が行われている」と話した。続いて「ただしすべての判断はＩＡＥＡが単独で行うことになるだろう」と付け加えた。

これに先立ち、韓国の尹錫悦（ユン・ソクヨル）大統領は１２日（現地時間）、リトアニアで岸田文雄首相と会って「放流点検過程に韓国の専門家が参加できるようにしてほしい」と要請した。現地事務所に常駐する第三国専門家を選定する権限はＩＡＥＡにあるが、日本政府の意見もかなりの比重で反映される見通しだ。

これに関連して、ＩＡＥＡのグロッシ事務局長は今月８日の訪韓期間に中央日報とのインタビューで「韓国人が（現地事務所に）来ても出身国を代表するのではなく国際機関であるＩＡＥＡのメンバーとしての中立性を守らなければならない」と答えた。

◇「放出決定すれば個別説明」

早ければ来月にも始まるとみられる放流開始時期について、日本政府関係者は「計画が確定すれば韓国など特に多くの関心を持っている国家に対しては個別に説明する機会を用意する考え」と話した。

そのうえで「基準をクリアしない水を放出することは絶対にない」と強調した。あわせて「海洋放出」が最も現実的な方案だと再度強調した。この関係者は「陸上に約１０００基のタンクが処理されないままの水を保管していてリスクは引き続き蓄積されている状況」としながら「２０２４年になればタンクがいっぱいになるが、このような状態は当然日本だけでなく周辺国にも望ましくない」と話した。

一方、東京電力関係者はこの日の説明会で「ＡＬＰＳ（多核種除去設備）処理水海洋放出に関連した各種データをホームページに公開する計画でＩＡＥＡも同じようなウェブページを準備している」と話した。東京電力の資料によると、リアルタイム公開の対象データは▽希釈用の海水の取水口と上流水槽の放射線モニター▽ＡＬＰＳ処理水移送ポンプの出口で実施した放射線モニター▽ＡＬＰＳ処理水の移送管の流量▽希釈用の海水の流量▽海水で希釈したＡＬＰＳ処理水のトリチウム（三重水素）濃度（計算値）－－などだ。

◇「処理水という用語の普及を」

一方、この日の説明会で日本政府関係者は韓国政府の公式用語である「汚染水（Ｃｏｎｔａｍｉｎａｔｅｄ　Ｗａｔｅｒ）」を「処理水（Ｔｒｅａｔｅｄ　Ｗａｔｅｒ）」に是正するよう求めた。現在、ＩＡＥＡや日本をはじめとする主要国は「処理水」という用語を、韓国や中国、ロシア、北朝鮮などは「汚染水」という用語を使っている。

この関係者は「韓国でも『処理水』という用語が使われてこそ（放出の）正当性に対する理解も広がる」とし「日本がなぜ汚染水でなく処理水という用語を使っているのか関心を持ってほしい」と話した。これに先立ち、今月６日に韓国大統領室高位関係者が会見で「福島処理水放出問題」と言及して用語変更の可能性を示唆したのではないかという見方が出てきたが、韓国政府は現在のところ公式的な用語変更計画はないという立場だ。

◇「フェイクニュース」思い切った批判も

日本政府関係者はまた、福島問題に関連した「フェイクニュース」を何回も批判して「根拠のないうわさによる被害を防ぐために各国と協議を進めていて日本も客観的・科学的情報を透明に共有する」と強調した。

この日の説明会は当初公示されてた時間よりも倍以上長くなって約３時間にわたって行われた。ＩＡＥＡが今月４日の最終報告書を通じて「日本の放出計画が国際基準に合致する」と結論を出したことに伴い、実際の放流が目前に近づいた中で、日本が韓国国民に対して放流の危険性に対する懸念を払拭するための本格的な「汚染水公共外交」に出たものと分析される。今週、日本現地でも記者を対象にした福島問題関連の説明会が相次いで開かれる予定だ。

日本は最近リトアニアで開かれた北大西洋条約機構（ＮＡＴＯ）首脳会議やインドネシアで開かれたＡＳＥＡＮ（東南アジア国家連合）関連の会議でも最高級や外相級として福島放流関連の全方向外交戦を繰り広げていた。