人工知能（ＡＩ）のトップランナーらによる「はしご外し」なのか。

ＡＩが強打した世界の情報技術（ＩＴ）業界が「閉鎖対開放」で２つに割れた。チャットＧＰＴのようなＡＩモデルを保有する少数の米国のビッグテックが相次いでＡＩの核心技術を公開しなくなったのに続きＡＩを規制すべきと主張しながらだ。オープンＡＩは２月にサービスを開始したチャットＧＰＴ－４から核心技術を投資会社であるマイクロソフト（ＭＳ）にだけ独占提供する。グーグルも最新ＡＩモデルの核心内容は非公開だ。

閉鎖陣営のまた別の軸は中国だ。中国のビッグテックは政府の統制下で社会主義価値に忠実なＡＩを開発中だ。米国政府がベンチャーキャピタルによる中国ＡＩ企業への投資を遮断する技術封鎖状況にも、独自にデータ、クラウドコンピューティング、半導体など後方生態系を広く狙っている。

これらはすでにＡＩ開発に天文学的な投資をした上に、ＡＩが国家安全保障技術に浮上すると独占・統制戦略にシフトしている。ＬＧグループＡＩ研究院のペ・ギョンフン院長は「米中先端技術覇権競争の一環で、ＡＩ市場もそれぞれ構築する動き」と話す。

これらの後を追う国と企業は開放型ＡＩで逆転のチャンスを狙う。フェイスブックを運営するメタはオープンソースでＡＩモデルを開放してこの陣営の先鋒に立った。メタの首席科学者であるニューヨーク大学のヤン・ルカン教授は中央日報とのインタビューで「ＡＩがとても危険だから規制しようという主張は他の人々の市場参入を防ごうとするもの」と話した。

現在のＡＩ陣営対決は１５年前のモバイル生態系競争と似ている。アップルとグーグル（アンドロイド）が争い、後方産業である半導体をめぐり米国、中国、台湾、韓国が絡み合いながら成長し、中国は万里の長城の裏で技術崛起を準備した。激しかった技術、哲学、産業の対決はいまやＡＩの舞台に移ってきた。

韓国は独自の超巨大ＡＩモデルを保有する４カ国のうちのひとつだが、トップグループの遮断と後発走者の追撃の間に挟まれた境遇になった。オープンＡＩとグーグルは韓国語ＡＩの水準を高めて言語の障壁をすでに超えている。ネイバー、カカオ、ＬＧ、ＳＫテレコム、ＫＴの大企業５社が開発した韓国語ＡＩモデルは新たな活路を突き抜けなければならない。ネイバーが「米国・中国のＡＩを使いたくない国には韓国が選択肢」として欧州・中東を攻略し、ＬＧが産業別「専門家ＡＩ」に集中する背景だ。ＫＡＩＳＴのキム・ジュホ教授は「韓国企業は規模の勝負よりは特化領域に適用する技術を開発しなければならない」と話した。

資本と技術を握ったトップランナーの目標は市場と規制の先取りだ。オープンＡＩのサム・アルトマン最高経営責任者（ＣＥＯ）は先月の米議会の公聴会に出席し、「国際原子力機関（ＩＡＥＡ）のような機関でＡＩを規制しよう」としながらも、欧州に行くと「規制が厳しくなれば欧州でのＧＰＴ運営を中断するかもしれない」と脅しをかけた。彼は先月フランス、スペイン、英国の首脳にそれぞれ会った後「ＡＩ規制に対して有益な対話をした」と明らかにした。９日には韓国中小ベンチャー企業部の招きで訪韓する。

ＡＩ生態系の核心はチャットＧＰＴのようなファンデーションモデルだ。膨大な文章や画像、動画データで訓練し、各種応用ＡＩサービスの基盤になる。閉鎖型とオープンソース、２大陣営はどちらがＡＩモデルをさらに早く広められるかをめぐって競争中だ。

「ＡＩを核のように規制しよう」というチャットＧＰＴの父…韓国のＡＩ締め上げてくる（２）