米ドルの地位揺れ「不安定なナッシュ均衡」になれば韓国に直撃弾(2)
ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版2023.06.04 12:31
過去の歴史を振り返ると1929年の大恐慌を経ながら米国と英国が金本位制を放棄した。すなわち当時は金を基準として各国が貿易をしていたが、大恐慌に襲われ米国と英国の経済が沈滞しこれ以上金を使えなくなったのだ。その結果世界は貿易をする通貨が消え右往左往することになり、結局世界の貿易が60%減少したという。そしてその過程で英国は英国の植民地国と独占的な貿易をし、フランスはフランス植民地と独占的な貿易をしながら植民地がなかったドイツと日本の経済が真っ逆さまに落ち込んだだ。こうした経済的衝撃で第2次世界大戦が勃発したとみることもできる。
結論的に不安定なナッシュ均衡は一度壊れれば大きな混乱を避けることはできない。経済学の教科書は泰然としたナッシュ均衡が崩れれば経済は別のナッシュ均衡を求めていつかは収束すると話しているが、現実の経済ではこうした均衡の移動過程はあまりにも長く苦痛な過程でありうる。そこで1970年代から日本とドイツを含む先進国は米国の経済を助けドルの価値を維持できるよう努力し、その過程でおなじみのG7という経済先進国の首脳会談が作られることになったのだ。米ドルを中心にする不安定なナッシュ均衡を複数の国が力を集めて無理にでも維持しようという趣旨だ。