ミサイル専門家が見た北朝鮮「衛星発射体」…「2種類を同時開発…近く再発射も」(1)
ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版2023.06.03 12:42
北朝鮮が先月31日に敢行した軍事偵察衛星打ち上げは失敗に終わったが、近いうちに再発射をするという予想が多い。北朝鮮の金与正(キム・ヨジョン)労働党副部長は1日の談話で「軍事偵察衛星は遠からず宇宙軌道に正確に進入し、任務遂行に着手することになるだろう」と公言した。問題はその時期だ。失敗の原因を分析して新しい発射体を製作するには相当な時間がかかると予想される。実際、北朝鮮が2012年「銀河3号」ロケット発射に失敗した後、再挑戦して成功するのに8カ月かかった。
しかし西海(ソヘ、黄海)に墜落した「千里馬1型」以外に別の発射体を北朝鮮がすでに保有している場合は話が変わる。このような分析を出したのは、ロケット工学者であり北朝鮮ミサイル専門家の張泳根(チャン・ヨングン)韓国国家戦略研究院ミサイルセンター長(元航空大教授)だ。張氏は「北は2種類の発射体を同時に開発したとみられる」とし、4月18日に金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が娘のジュエと国家宇宙開発局を訪問した当時の写真をその根拠に挙げた。
張氏は「当時、金委員長が見ている大型画面に大きさが異なる2種類の発射体が登場したが、このうち小さい発射体が今回新しい発射場で打ち上げて失敗した『千里馬1型』であり、大きい発射体は従来の東倉里(ドンチャンリ)発射場で打ち上げられる可能性が高い」と述べた。北朝鮮専門メディアのNKニュースが2日、商業衛星写真に基づき「従来の発射台周辺でも多くの車両が忙しく動いていて、クレーンが配置され、レールが装着された移送構造物が発射タワーと並んで配置された」とし「従来の発射台周辺のこうした動きは別の発射が近いことを表す可能性がある」と伝えたが、これも張氏の分析を後押しする。