国際原子力機関（ＩＡＥＡ）が中間報告書を通じて、日本福島第１原発の汚染水サンプルから有意義な水準のさらなる放射性核種は検出されなかったと明らかにした。

ＩＡＥＡは東京電力が様々な放射性核種に対して採択した測定・分析方法も目的に合致し、適切だったとも評価した。ＩＡＥＡは３１日（現地時間）、約７０ページに達する１回目の試料分析結果の報告書を公開した。

報告書は「東京電力は汚染水サンプルの測定および技術力において高い水準の正確度を立証し、サンプルを収集する手続きも代表サンプルを得るのに必要な適切な方法論的な基準に合致していた」と明らかにした。同時に「東京電力とは独立してサンプルを採取し分析したＩＡＥＡと韓国・フランスなど第３国参加研究機関の分析結果からも（三重水素以外に）さらなる放射性核種は検出の限界を越える有意義な水準には検出されなかった」と説明した。

日本は２０１１年福島原発事故で汚染された水を多核種除去設備（ＡＬＰＳ）で処理した後、原発敷地内の数百のＫ４タンクに保管している。しかし、浄化過程を経ても放射性物質である三重水素（トリチウム）が残る。日本政府は汚染水の三重水素の濃度を自国の規制基準の４０分の１である１リットル当たり１５００ベクレル未満に希釈し、今年７月から放流する計画だ。

ＩＡＥＡは、日本政府の汚染水放流計画が海洋環境に悪影響を与えないかを調べるため、第３国の研究所とともにタスクフォース（ＴＦ）を作って数年間検証作業を進めてきた。ＩＡＥＡは今回の報告書に先立ち、５回にわたって福島第１原発の汚染水放流関連報告書をまとめたことに続き、６月中に周辺海水と魚類などに対する影響を含めた最終検証報告書を発表する予定だ。

今回の報告書は、日本側がＡＬＰＳで処理した汚染水サンプルを分析する作業が適切だったかどうかを調べることに焦点を当てた。分析の信頼性を見極めるため、ＩＡＥＡは傘下研究所３カ所や韓国・フランス・スイス・米国の研究施設で同じ方式で独立して採取した汚染水サンプルを分析した。韓国原子力安全委員会はＩＡＥＡが１回目の試料分析結果の報告書に関連し、１日午前１１時に緊急ブリーフィングを行う。

一方、劉国熙（ユ・グクヒ）原子力安全委員長（福島視察団長）は３１日、政府ソウル庁舎で日本福島第１原発汚染水の視察結果のブリーフィングで「主要設備が設計通りに現場に設置されていた。また、異常状況時に汚染水の放出を遮断するための手段も確認した」と述べた。同時に「設備が『きちんと性能を発揮するか』という部分を確認するために、様々な追加の分析作業を行う」と明らかにした。

特に、放射性核種除去設備であるＡＬＰＳに対して、劉団長は「視察の過程で東京電力から汚染水の４年分のＡＬＰＳ入口・出口の濃度資料を確保した」とし「特に検出履歴の多い核種約１０種の場合、週１回測定した入口・出口の濃度を確保した」と話した。

、劉団長は「汚染水の試料採取もできないなど台湾視察団より検証範囲が小さい」という指摘に対して「台湾はＩＡＥＡの加盟国ではない。韓国原子力安全技術院が検証ＴＦに参加し、直接分析している」と反論した。