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【リセットコリア】新冷戦の意味と韓日関係の重さ

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2023.05.15 09:35
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韓国外交史で冷戦時代に李承晩(イ・スンマン)大統領の対米外交と、脱冷戦時代の金大中(キム・デジュン)大統領の対日外交は時代精神に合う卓越した選択だった。新冷戦状況に直面した尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権は対米・対日外交をひとまとめにして推進しなければならない課題を抱えている。米ソ冷戦時代は韓国が米国中心の西側陣営に編入されることにより米国とともに冷戦勝利を共有した。新冷戦は米ソ冷戦のコピー版ではないため外交事案に基づく判断と選択が極めて難しい。

米ソ冷戦はその範囲が世界的で、その内容の核心は共産主義陣営と資本主義陣営の組織的二極化だった。当時は二者択一、善悪二分法の選択を強要するイデオロギーの絶対化時期だった。米ソ冷戦の中心軸であるソ連と東欧社会主義体制のドミノ崩壊で脱冷戦状況が到来した。

 
いまわれわれは冷戦→脱冷戦→新冷戦の歴史過程に生きている。米ソ冷戦のルーツであるソ連社会主義革命は70年ぶりに滅びたが、中国社会主義体制は70年が過ぎ、いまも世界第2の経済大国として社会主義市場経済を正当化している。米中新冷戦は体制理念は違うが市場経済の普遍性を共有するだけに米ソ冷戦当時とは比較できないほど経済的相互依存度が高い。新冷戦を21世紀の制限的冷戦状況と判断して対処することが韓国の国益に合致するだろう。

尹錫悦政権は新冷戦状況で韓日米軍事安保協力の枠組みを維持しながら核・ミサイル挑発を強化する北朝鮮とも平和共存の条件を作らなければならないというジレンマに耐えなければならない。また、習近平主席の訪韓を成功させて経済交流を中心にした相互協力の可能性を打診しなければならない。特に尹政権は定例化された韓日中首脳会談を開催して議長国に見合った議題を設定し日中を誘導できる外交スペースを用意する義務がある。

尹政権の対日外交は未来志向的韓日関係で国益を得るという課題を持続して実践しなければならない。韓日は2回の首脳会談で1998年の金大中・小渕共同宣言を継承すると約束した。この宣言は「痛切な反省と心からのおわび」に対し両国首脳が最初に合意した協定だ。当時日本の小渕首相は協定調印式で、金大中大統領は日本の国会での演説で、両国国民に向け反省とおわびを肉声で確認し、相互認定を通じた和解協力を訴えた。韓日は深刻な対立の中でも一喜一憂せず事案別に対処し、韓流ブーム、共同学術研究、ワールドカップ共同開催など和解基調を維持できた。

韓国外交が相手にしなくてはならない日本の主流は天皇制国家の伝統を受け継いできた保守勢力であることを忘れてはならない。1955年以降約70年間自民党を中心にした日本の保守政治は米国が主導した平和憲法体制で成長してきたが、そのルーツは明治維新の天皇制国家保守主義だ。

2度のシャトル首脳会談でもう韓日外交正常化のドアは開いた。韓日は第2次大戦後の米国との関係で占領と同盟という類似した経験をし、韓日米は米ソ冷戦と韓国戦争(朝鮮戦争)を経ながら自由民主主義体制理念を共有し北東アジアの国際政治の中心軸を形成してきた。

韓日は人口5000万以上、1人当たりGDP3万ドル以上の7大先進国に属する。人権分野で「アジア的価値」を超え普遍的価値を共有し、非核平和路線を維持しながら7大軍事大国にも属する。これほどの世界的位置付けで韓日協力と信頼が堅実になれば新冷戦状況でも米中の自国優先主義逸脱を牽制し、欧州連合(EU)を率いるドイツとフランスの協力と同じ役割を期待できる。

内政・外交で途轍もない挑戦があるが、国民統合の政治力で克服するほかない。韓国政府は対日外交推進過程で国民統合をだめにする国論二極化を防がなければならない。対案がある建設的批判は大胆に受け入れ、根拠のある批判は外交交渉の資源にできることを忘れてはならない。国民の不満や野党の反対に対しては未来志向的目標と具体的手段・方法を提示し誠意を持って説明する責任がある。

崔相竜(チェ・サンヨン)/元駐日大使、高麗(コリョ)大学政治外交学科名誉教授

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