【リセットコリア】情緒的連帯感を与えるソウルブランドを作るべき
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2023.04.10 13:48
ソウル市ブランドリニューアル作業が最終段階に入っている。前任の市長が導入した「I SEOUL U」ブランドに代わる新しい代案を出すのが目標だ。ソウル市が追求する価値とアイデンティティを圧縮して表すことができる新しいスローガンとロゴデザインの開発が核心となる。これら要素はソウル市の独自のイメージを構築し、競争力と魅力を強化する役割をする。ところがソウル市の特徴を浮き彫りにするのは容易でない。なぜか。
1つ目、都市ブランドが追求するアイデンティティは似ているものが多いからだ。オランダのコンサルティング会社アルカディスが2022年に発表した「持続可能都市指標」によると、ノルウェーのオスロが1位、スウェーデンのストックホルムが2位、デンマークのコペンハーゲンが4位だった。これらの都市は持続可能な都市として認められるために、指標の評価基準となる自転車道路の改善、再生可能エネルギーの使用増加、グリーン空間の拡充などに集中した。その結果、持続可能な都市として評判向上には成功したが、逆説的に独自の特色を表すイメージの構築には失敗した。標準化された評価基準に合わせて発展しようとする都市の努力は結局、都市ブランディングの第一の目標である特色のあるイメージの構築とは相反する結果をもたらす。
2つ目、理想的なアイデンティティと実際(現実)を反映するアイデンティティの間には乖離がある。理想的なアイデンティティが都市が追求するビジョンと価値を反映するなら、実際のアイデンティティは都市の現在の状況と特性を反映する。例えば、ベルリンは過去の東西分断、再建と統一という歴史があり、歴史的な遺産に関連する多くの名所と建築物がある。ベルリンの実際のアイデンティティを形成する重要な要素だ。しかし最近はベルリンを創意的な都市として再定義しようという動きがある。ベルリンの革新と創造性を強調し、スタートアップと創業企業を誘致しようということだ。ベルリンの実際のイメージは歴史的な遺産と文化的な中心地を強調するが、新しい創意的な都市イメージは理想的なイメージであり、実際のイメージとは対照的だ。こうした戦略はベルリンの理想的なアイデンティティと実際のアイデンティティの間の乖離を起こし、認識の違いと混乱を招くことがある。