韓日中首脳会議が４年ぶりに再開する兆しが見えている。３カ国首脳の対面疎通を妨げる足かせとなっていた韓日間葛藤局面が一段落し、中国も首脳会議に向けた韓日両国との疎通に前向きな態度を見せている。尹錫悦（ユン・ソクヨル）政府は、韓国が３カ国の首脳会議巡回議長国であることを活用し、年内開催に向けた協議を主導する予定だ。

韓国政府筋は２８日、「韓日中首脳会議の年内開催は尹大統領が直接行う主な課題であるだけに、韓日中協力事務局（ＴＣＳ）レベルでの実務協議を含め、日中との協議を本格化する予定」とし、「首脳会議が中断されることで行き詰まっていた経済・文化・保健など各分野の３カ国の協力を高めるための議題発掘作業も並行している」と述べた。

尹大統領は前日、在外公館長の晩餐会で「３者首脳会議を通じて域内の平和と発展に向けた努力が必要だ」と述べたと大統領室が明らかにした。これに先立って、今月２０日、中国外交部の汪文斌報道官も「中韓日３カ国の協力に一貫して積極的に参加してきた」と述べた。中国が３カ国首脳会議の開催を支持するメッセージを発信したのは、米中間サプライチェーン競争の中で韓日両国が半導体・先端技術など核心分野で米国に密着したことにともなう対応に読まれる。

３カ国首脳会議は、習近平中国国家主席の訪韓に関連した議題でもある。首脳会議は日本→中国→韓国の順に議長国を務め、今回は韓国の番だ。中国は韓日とは異なり、８回にわたる３カ国首脳会議に国家主席ではなく首相が参加してきた。習主席の出席はこれまでの慣例を破ることであるため、中国側も慎重だが可能性は開かれている。習主席が３カ国首脳会議に出席すれば、２０１４年以降９年ぶりの訪韓が実現する。

尹大統領は昨年５月の就任から韓日中首脳会議の開催を主要課題として念頭に置いてきた。当時、大統領就任式に出席するために韓国を訪問した中国の王岐山副主席が尹大統領に「韓国が第９回中韓日首脳会議を開催することを尊重する」という立場を明らかにした。

韓国政府の強制徴用問題の解決法と首脳会談を経て韓日間葛藤局面が一段落したことにより、韓日中協力の土台が作られた。日本が韓日中首脳会議の先決条件として設定した強制徴用問題の解決と韓日関係の正常化が一挙に実現したためだ。岸田文雄首相は１６日、首脳会談直後の共同記者会見で「日中韓高官級プロセスを早期に再稼動することが重要だということで意見が一致した」と述べた。