【時視各角】AIにも及ばない韓国与野党の政治感覚
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2022.10.04 10:29
北朝鮮が連日ミサイルを撃つのは今に始まったことではない。だが、今回の挑発は従来のパターンとは明らかに異なる。これまで北朝鮮は韓米合同演習を控えてあらゆる口汚い言葉と共に武力示威をしながらもいざ訓練が始まればいつそんなことを言ったのかといわんばかりに静かになったりした。合同演習のために韓半島(朝鮮半島)に配備された米軍の戦略資産が突然攻撃用に転換されるかもしれないという恐怖がその根底にある。2018年南北首脳会談のとき金正恩(キム・ジョンウン)は文在寅(ムン・ジェイン)前大統領に「もうこれ以上国家安保会議(NSC)を招集するために夜明けに深く眠れないというようなことはないようにする」と守りさえできないことを言ったが、彼らにとって韓米訓練は深く眠れないどころか最初から寝つけないくらいの恐怖だった。
ところで今回は米軍戦略資産の総合セットである空母打撃群が来て訓練を行っているにもかかわらずに、ミサイルを次から次へと発射した。「核保有国を刺激するつもりか」といわんばかりの威勢だ。はっきりとは分からないが、韓米国防当局はこの初めての事態に対する評価と対応に混乱したことだろう。ある専門家の間から「もう従来の抑止戦略は通じない」という分析が出てくるのも無理はない。ここで終わりではなく、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)試験と戦術核弾頭力量を見せる7回目の核実験が待っている。「ゲームチェンジャー」獲得の終着段階に入ったのだ。大韓民国が向き合っている状況はこのように厳しい。国軍の日の行事で「モンスターミサイル」を公開したのはこのような動きを狙った事前の警告だったはずだ。果たしてこのような警告が大胆になるだけなった北朝鮮に通じるかどうかは未知数だ。拡張抑制の稼働は必須の対備事項の一つだが、それだけで十分な抑止になるかどうかはさらに細かく検討する必要がある。核シェアリングや核均衡論など可能なすべてのオプションを含めて対応戦略を根本的に再検討しなければならないかもしれない。このような仕事をするにも尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領と参謀陣にとっては一日24時間では足りないようだ。