【コラム】THAAD「三不」と「三不一限」=韓国(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2022.08.15 15:05
韓中THAAD(高高度防衛ミサイル)の葛藤の溝が尹錫悦(ユン・ソクヨル)政府になってもなかなか埋まらないでいる。中国が朴振(パク・ジン)韓国外交部長官と王毅中国国務委員兼外交部長の9日の会談、そして10日中国外交部報道官の発言などを通してTHAAD問題に関する立場を再び明らかにしながらだ。中国の立場は「三不一限」から変化していない。ところが韓国の一部では中国が従来の三不に一限を付け加えたと言う。また、一限が何かについても意見が入り乱れている。もどかしい。THAAD葛藤という厳重な事態を体験しているにもかかわらず、まだこれに対する韓国の理解が非常に断片的で不十分なのではないかという考えからだ。
基本から振り返ってみよう。まず三不から。この言葉が出たのは2017年10月31日、当時文在寅(ムン・ジェイン)政府がTHAAD葛藤に対応するための努力の一環として中国と協議して公表した内容に基づく。当時両国は「韓中関係改善関連の両国間協議結果」を発表した。内容は大きく5つの段落に分かれる。このうち第4段落目に「三不」の内容が登場する。「中国側はMD(米国のミサイル防衛)構築、THAAD追加配備、韓日米軍事協力などに関連して中国政府の立場と懸念を明らかにした。韓国側はこれまで韓国政府が公開的に明らかにした関連の立場を再び説明した」すなわち韓国は、1)米国のミサイル防衛システムに参加しない、2)THAADを追加で配備をしない、3)韓米日軍事協力が同盟に発展しないようにするということだ。このような内容が伝えられると、韓国社会の各方面から激しい反発が出てきた。韓国の主権的事項を中国に約束したのではないかとの趣旨だった。その後、韓国は三不だけを云々するようになった。だが中国はこれまで一貫して一限も常に主張していた。一限は10.31協議結果で、最も長い第3段落目に基づいている。多少長くはあるが理解を高めるためにすべて読んでみる必要がある。