【時視各角】韓国人が初めて描いた米国の風景画
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2022.06.06 16:09
見れば見るほど妙な絵だ。ソウル江南(カンナム)のGALLERY YEHで展示中の『火車分別図』だ。火車は石炭を燃焼させて走る汽車。縦28センチ・横34センチの絵画に鉄橋を走る汽車が登場する。汽車も2つ、列車も2本だ。絵の下段には西洋風の5階建て建物と木が多く生える丘が目に入る。韓国人画家が最初に描いた米国の風景画で、今回初めて一般公開された。
画家は姜ジン熙(カン・ジンヒ、1851~1919)。1888年に初代駐米公使の朴定陽(パク・ジョンヤン)の随行・通訳として渡った米国で見た風景を描いた。韓国伝統笠子帽「カッ」をかぶって道袍(当時の男性の礼服)を着た彼にとって、広々とした川を横切る鉄橋はとてつもない光景の一つだったに違いない。参考に、韓国最初の鉄道である京仁(キョンイン)線はそれから11年後の1899年に開通した。『火車分別図』は何を描いたものだろうか。姜ジン熙が記録を残しておらず、はっきりとした定説はない。
ただし、朴定陽の『美行日記』に、ワシントン公使館一行が1888年4月1日に汽車に乗ってボルティモア日帰り旅行をしたという記録が登場する。「汽車がとても速く走り、片方に視線を転じればすでに過ぎ去ってしまい、ちゃんと見ることができなかった」と書いている。