【コラム】李克強は習近平に代われるか
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2022.05.30 10:46
中国指導部の改編が半年後に迫り「権力闘争」の話がじわじわと流れ出ている。あらゆるうわさの集散地である香港だけでなく米国メディアも加勢して世間の関心が傾いている。権力闘争に関連したうわさの主な内容は一言で「習下李上」に整理される。習近平中国国家主席の権力が弱まるのに対しその権力の空白を李克強首相が埋めることになるだろうという話だ。さらに李克強が習近平に代わり中国のトップになるという「李克強待望論」まで出ている状況だ。
なぜこうした噂が広がるのか。始まりは4月中旬だ。上海がコロナで封鎖され怨嗟の声が高まるのと時を合わせて中国のインターネット空間には朱鎔基元首相の写真と動画などが登場した。1998年から5年間首相を務め中国経済の皇帝と言われた今年94歳の朱鎔基がなぜ突然召還されたのか。上海市民が共有した朱鎔基関連の投稿と動画を見れば理由を推察できる。「私は党に役立つならばどんな話もはばからないだろう」という朱鎔基の87年の上海市長就任式演説が中国版ツイッターであるウィーチャットに上がってきた。朱鎔基が88年に上海で流行した肝炎を克服する過程を叙述した文も話題を集めた。
このところウォール・ストリート・ジャーナルは中国党内の幹部が習近平主席を批判したと報道した。トウ小平以来確立された集団指導体制を習主席が破っているというのが批判の骨子であり、声を上げた先頭に朱鎔基がいたということだ。朱鎔基は首相として中国の世界貿易機関(WTO)加入を導くなど経済に輝かしい功績を立て人望が高かったが、首相を再任せず単任に固執して江沢民国家主席の同時退陣を引き出したという評価を受けている。そうした気骨のある政治家朱鎔基が3期目に挑戦する習主席に苦言を投げかけたものとみられる。