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スリランカがデフォルトの危機、その裏に中国が仕掛けた「負債の罠」

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2022.05.02 11:16
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先月12日、スリランカは7800万ドルの国債利払いができず一時的債務不履行(デフォルト)を宣言した。状況は悪化の一途だ。スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は先月25日、経済難でデフォルト危機に陥ったスリランカの国債格付けを「選択的デフォルト(SD)」に引き下げた。ムーディーズも先月18日にスリランカが連鎖デフォルトに進んでいるとして国債格付けをそれまでの「Caa2」からデフォルト等級のすぐ上の「Ca」に2段階引き下げた。

スリランカの対外債務は約510億ドルだ。これに対し外貨準備高は3月末現在19億3000万ドルにとどまる。JPモルガンなどによると、このうち年末までにスリランカが返さなければならない対外債務は70億ドルだ。今後5年間に償還しなくてはならない対外債務も250億ドルに達する。

 
スリランカの経済は増える対外債務に新型コロナウイルスの影響で国内総生産(GDP)の12%を占める観光産業が直撃弾を受けて崩れた。スリランカの通貨ルピーの相場は今月初めには年初より30%以上下落した。通貨価値下落にインフレ(物価上昇)圧力が大きくなり生活必需品価格が上がり品薄現象も深化しており、街頭では連日反政府デモが起きている。

スリランカ経済をどん底へ追いやったのは何より急増した対外債務だ。その裏には中国がいる。スリランカの対外債務の約20%を中国が占める。スリランカが中国が仕掛けた「負債の罠」に陥ったのは一帯一路プロジェクトのためだ。中央アジアと欧州を結ぶ陸上シルクロードと東南アジアから中東、アフリカ、欧州につながる海上シルクロードの建設を通じた経済共同体を標榜する。138カ国が参加したという。

貧しい開発途上国に中国の資金は甘い誘惑だった。国際通貨基金(IMF)のように条件を付けることもなかった。だが中国の一帯一路プロジェクトが貸し付ける資金は中国の政策銀行(国家開発銀行、輸出入銀行、農業開発銀行)や中国の国有商業銀行(中国銀行、中国工商銀行、中国建設銀行、中国農業銀行)などの商業性融資だ。利子が高いという話だ。

国際金融センターなどによると、一帯一路プロジェクト融資の平均金利は2.5%水準で、最大9%の金利が適用される場合もある。1%水準である世界銀行やアジア開発銀行(ADB)と比較すると差が大きい。

その上各種プロジェクトは中国銀行と企業、労働者が参加しなくてはならない、いわゆる「拘束性援助」だ。援助を受ける企業は自国内の雇用創出などの付随的な効果も得られずに利子費用は中国銀行に出し、各種建設費用などは中国企業と労働者が持って行く。

資金が返済できなくなる状況に備え資源や各種インフラ運営権などを譲り受ける条項を盛り込んで契約を締結したケースも多い。実際にスリランカは2017年にハンバントタ港の建設過程で抱えた14億ドルの負債を返せなくなり、中国港湾公社に99年間の運営権を譲り渡した。パキスタンの戦略的要衝地であるグワダル港も開発過程で中国から借りた資金を返せず中国港湾公社に運営権が移った。

開発援助資金の使い道を追跡するエイドデータ研究所が昨年9月に出した報告書によると、中国は一帯一路プロジェクトを含め、2000~2017年に165カ国の1万3427件のプロジェクトに8430億ドルを貸し付けた。40カ国ほどの中低所得国では中国に対する債務がGDPの10%に達する。

エイドデータは一帯一路プロジェクトにより中国が▽輸出で稼ぐ莫大なドルを海外貸付に回すことができ▽海外プロジェクトを通じて建設分野など中国内の過剰産業を維持でき▽不足する原材料の安定的供給源も確保できることになる――と分析した。エイドデータのブラッド・パークス総括ディレクターはウォール・ストリート・ジャーナルとのインタビューで「開発途上国が中国の問題を解決するのに助けになっている」と指摘した。

中国が開発した後で負債償還の代わりに運営と所有権を譲り受けたインフラの場合、軍事や地政学的戦略的要衝地などにある場合も多く、また別の火種になりかねない。米国中心の西側諸国が「より良い世界の再建(B3W)」計画を持ち出したのも中国の進撃を防ぐという意図がある。B3Wは中低所得開発途上国が2035年までに約40兆ドル規模の基盤施設需要を充足できるように支援するという。

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