【中央時評】過去が破壊したロシアの未来
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2022.04.27 13:27
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が破壊したのはウクライナだけではない。彼はロシアの未来も破壊した。ソ連解体前の1990年、ロシアの経済規模は米国の10%程度だった。持続的な経済沈滞とルーブル安で1990年代末には米国の2~3%に下落したが2000年代に入り回復して2013年には14%まで上昇した。しかしそこまでだった。ウクライナへの侵攻で長期経済成長の核心要因である人材が離れ、外国資本が離脱することによってロシアの未来は崩れた。プーチンが執権し続ける限り、人材や資本が戻ってくることはないだろう。
前兆はあった。2011年、筆者はモスクワのある大学総長に会った。彼は当時首相だった前大統領プーチンがドミトリー・メドベージェフの後に続いて再び大統領になることを心配していた。そして言葉を繋いだ。「ロシアが権威主義に戻るのを見ることはできない。プーチンがまた大統領になるなら国を離れるだろう」。実際、プーチンが再び執権した1年後、彼はロシアを完全に離れた。ロシア科学アカデミーによると、2014~19年の間に5万人に達する科学者が研究と仕事のために外国に向かった。プーチンが起こした戦争は彼らがロシアに戻る可能性を著しく低くした。それだけではない。米国シカゴ大学のロシア出身経済学者は、ウクライナ戦争勃発10日後に20万人のロシア人が外国に離れたと推算した。