ロシア軍のウクライナ東部地域に対する集中攻勢で戦争が新たな局面を迎える中、ウクライナに対する国際社会の追加軍事支援と支持が相次いでいる。

◆「大砲を追加供与」…米国の累積支援３４億ドル（約４４０００億円）に

米国政府はウクライナに対する８億ドル水準の追加軍事支援を準備しているとＣＮＮ・ＮＢＣなどが１９日（現地時間）、報じた。

報道によると、同件に精通した複数の当局者は「今回の支援に、より多くの大砲が含まれる予定」と明らかにした。ジョー・バイデン大統領はこの日、ニューハンプシャー州を訪問した席で「ウクライナに大砲を追加で供与する計画か」という取材陣の質問に「そうする」と答えた。

追加支援の正確な規模や細部事項、発表時期はまだ確定してはいないが、関連発表が数日以内に出るだろうと米当局者は伝えた。これに先立ち、１３日、米政府はウクライナに大砲を含めて８億ドル規模の軍事支援を発表したが、それから１週間で追加軍事支援を準備したということだ。

これに関連してＣＮＮは「ドンバス地域は開かれた地形で、大砲や長距離軍事システムが必要だ」とし「激戦地がキーウからドンバスに移ったことで、米政府もこれに合わせて速かに軍事支援をすることに重点を置いた」と分析した。米政府関係者は「戦争が非常に重要な段階で、ウクライナ東部に対するロシア攻撃が強化される場合、米国の持続的な支援が変化をもたらすと考えているため、バイデン政府はウクライナに対する軍事支援を最大限迅速に行うために努力している」と説明した。

今回の追加支援が承認される場合、ロシアのウクライナ侵攻が始まった２月２４日以降、米国がウクライナに提供した軍事支援規模は３４億ドルに達することになる。

◆Ｇ７決議…英・カナダも「追加支援」

これに先立ち、この日午前、バイデン大統領を含む主要７カ国（Ｇ７）の首脳はテレビ会議を通じてウクライナにさらに多くの軍事支援を行うことで決議した。

ロイター通信によると、Ｇ７会議後、英国のボリス・ジョンソン首相は「これ（ドンバスでの戦争）は砲撃戦になる。ウクライナはより多くの砲撃支援を必要とするだろう」としながら「多くの他の形の追加支援以外にも、我々はそれ（大砲）をウクライナに供給する」と明らかにした。

カナダのジャスティン・トルドー首相も「（ウクライナに）重砲（ｈｅａｖｙ　ａｒｔｉｌｌｅｒｙ）を提供する」と話した。米国と英国に続いてカナダもこの日、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領の２人の娘を制裁名簿に入れた。

ホワイトハウスのジェン・サキ報道官は「この日の会議で各首脳はウクライナに安保と経済、人道的支援を行うという約束を再確認した」と明らかにした。続いて「ロシアに（侵攻に対する）責任を問う過酷な経済的代償を科すための取り組みも調整した」と付け加えた。ＮＢＣは米国官僚の発言を引用し、米政府が近くロシアに対する新たな制裁を発表すると伝えた。

◆米、ロシアが出席の会議に不参加…「共同声明出せない」

こうした中、２０日、米ワシントンで開かれる主要２０カ国・地域（Ｇ２０）財務相会議で、西側諸国がロシアのウクライナ侵攻に対する抗議表示として、集団退場や他の外交的無視を準備しているとロイターなどが伝えた。

同会議はＧ２０主要国が世界経済の懸案などを議論する国際協議体で、ロシアも加盟国だ。ロシアのアントン・シルアノフ財務相はロシア代表団を率いて今回のＧ２０財務相会議に出席するという意思を明らかにした。

だが、ロシアがウクライナを侵攻してから、西側ではＧ２０からロシアを排除するべきだという声が高まっている。

フランス財務省のある官僚は「Ｇ７の一部長官がロシア側の演説の時に会議場から退場するものと予想される」と話した。ジャネット・イエレン米財務相とリシ・スナック英財務相はロシア官僚が参加する一部のＧ２０会議に出席しない考えだと外信は伝えた。フランスとドイツ政府当局者は、このような雰囲気のため、今回のＧ２０財務相会議では過去とは違って合意した共同声明さえ出せないだろうと予想した。

これに先立ち、先月１日にスイス・ジュネーブで開かれた国連人権理事会高官会議と軍縮会議でもロシアのセルゲイ・ラブロフ外相が画像演説を始めると、世界各国の外交官がウクライナ侵攻に対する抗議を表示するために退場したことがある。