【コラム】「世界化が終わった」…韓国には大きな危機
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2022.04.19 12:10
世界最大の資産運用会社ブラックロックのローレンス・フィンク最高経営責任者(CEO)は先月株主に書簡を送った。この書簡には「ウクライナ戦争で30年間続いた世界化に終止符が打たれた」という内容が盛り込まれている。ブラックロックは10兆ドルを超える資産を運用するほど世界の投資市場に対する影響力が強大だ。そんな会社のCEOが株主に「世界化の終焉」を告げた。フィンクCEOだけでない。「ヘッジファンドの伝説」と呼ばれるブリッジウォーター・アソシエーツのレイ・ダリオ会長も「世界で行われる戦争には5種類(貿易戦争、技術戦争、地政学的影響力戦争、資本戦争、軍事戦争)がある。いまこのすべての戦争を経験しており、世界化傾向は後退し国家主義が勢いを得ることになるだろう」と診断した。世界的な投資家のウォーレン・バフェット氏が「メールボックスに彼のメモが来ていれば真っ先に開けてみる」というほど信頼するオークツリー・キャピタルマネジメントのハワード・マークス会長も世界化がすでに域内供給網にその座を明け渡していると分析する。
この30年以上にわたり大規模な事件が起きながら世界は世界化に向け走ってきた。1991年にソ連が崩壊するとロシアは世界の経済システムのひとつの軸としての位置を確立し始めた。また、2001年には中国が世界貿易機関(WTO)に加盟して世界経済と調和することになった。おかげで貿易量が急増した。多くの企業が人件費と原材料価格が安い国に進出し、各国には「グローバル企業」が相次いで登場した。世界のどこであれ、より少ないコストで製品を生産し、より多く売ろうという考えが大きな流れになった。ここには味方も敵もなかった。競争力を備えることができるのであればどこでも行った。政府も乗り出した。各国は先を争って世界化戦略にすべてを賭けた。世界化という溶鉱炉に溶け込んだ。まさに世界化の時代だった。