【中央時評】金正恩を閉じ込めていた鳥かごが開いた(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2022.03.30 16:07
「金正恩(キム・ジョンウン)は鳥かごに閉じ込められた鳥のようだ。好きなだけ鳴けるが、自由に飛び回れない」。筆者は2019年12月の中央時評でこう書いた。しかしもう金正恩を閉じ込めていた鳥かごが開かれ始めた。これを受け、韓半島(朝鮮半島)にまた荒波が押し寄せる兆候だ。
これまで鳥かごを閉じておいた力は制裁と米中関係だった。中国は米国を意識し、鳥に餌を与えるものの鳥かごは開かないという戦略をとった。一方では米国に対応するカードとして北朝鮮を活用し、別の一方では北朝鮮の挑発で韓半島が不安定にならないよう、また米国が中国にさらに圧力を加えないよう適当に管理しようとした。北朝鮮がコロナ防疫で対外貿易を遮断するまで、中国は観光客を送り食料とエネルギーを援助するのはもちろん、国連の制裁を違反する中朝間の商業活動もある程度は黙認した。感染病が消えても中国の役割は絶対的であるはずだ。北朝鮮は経済回復を期待するが、そのカギも中国が握っている。金正恩が中国の反対を押し切って挑発すれば、中国は制裁を強化する可能性がある。こうした中国の意図を知る金正恩は自由に動けなかった。金正恩は中国を見て、中国は米国を見るという妙な構図だった。