【コラム】民家まで爆撃したプーチン、サイコパス性向の「ヒュブリス症候群」(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2022.03.20 10:52
残念なことにこうしたことは閉鎖的独裁国だけで起きる問題ではない。自由民主主義の象徴である米国の前大統領トランプも就任前にすでに専門家集団により病的なナルシシズム、ソシオパス(反社会的人格障害)、偏執症的妄想障害、悪く狂った精神状態を持っているとの評価を受けた。彼らはトランプが大統領職を遂行する前に病的な精神状態を客観化させる全面的な評価が必要だと主張した。もちろん貧しい白人労働者のコンクリート支持基盤に力づけられてトランプは4年間あらゆる奇行を犯しながら大統領職を遂行した。もし新型コロナウイルスのパンデミックがなかったなら再任に成功しプーチンとともに世界を深刻な危険に陥れていただろう。
それならいったいなぜサピエンスの脳には無慈悲で傲慢な人に対する選好が存在するのだろうか。これに対して『サイコパス脳科学者』の著者であるジェームズ・ファロンは嘘が上手で共感能力が落ち不安を感じられないサイコパス的特徴が危機状況で生き残るには有利に作用したためだと説明する。例えば戦争のように切迫した状況に直面すれば普通の人々はストレスを受け不安といらだちに震えるはずだ。これに対しサイコパス性向の指導者は感情の動揺なく冷静に状況を把握した上で適切に対処し勝利を得る可能性が高い。人類が野蛮の時代を経て文明の世界に進入してからもサイコパス的冷徹さは軍事・政治・経済などの方面で社会発展に寄与しただろう。実際にサイコパスはすべての文化圏で約2%の割合で存在する。もしサイコパス的特徴が人類発展に無条件に害悪だけ及ぼしたとすれば繰り返される進化過程を通じて消えていただろう。