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【社説】恥ずかしい暴言が飛び交う大統領選挙テレビ討論をなぜ見なければならないのか=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2022.02.23 13:45
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韓国大統領選挙が迫る中で行われた21日の第1回法定テレビ討論のテーマは経済だった。計3回の討論のうち一番最初に扱うほど、新政府がぶつかるだろう対内外の経済環境は荒波が予想される。コロナ事態で危機に陥った自営業者対策に良質の雇用不足、世界に吹き荒れているインフレーション、ウクライナ事態など懸案が山積している。米中葛藤に見るように、熾烈な未来産業競争の中で韓国経済の持続成長を牽引(けんいん)するビジョンも大統領選候補から聞きたい部分だった。

だが、2時間のテレビ討論を見守った国民の頭の中には恥ずかしくなるような暴言の数々と枝葉的な論争だけが残った。支持率のトップを争っている両党候補が特にこのような攻防に熱を上げた。野党「国民の力」の尹錫悦(ユン・ソクヨル)候補が与党「共に民主党」李在明(イ・ジェミョン)候補に対して「法人カード横領」疑惑を突きつけた。すると李候補は「令状が出れば尹錫悦は死ぬ」などが書かれたパネルを持ち出して読みあげた。録音記録は実体が不明にもかかわらず「李在明ゲートという言葉があるという」「虚偽事実なら辞退するか」と言い合いを続けた。

 
大庄洞(テジャンドン)開発特恵疑惑は真実が明らかにされなければならないが、今回の討論は未来の韓国経済をどのようにしていくかについて候補の識見を聞くことができる事実上最後の機会だった。そのような場で「もともと考えを変えないのか」「根拠なく陰で人を陥れようとする習慣がある」といったような人身攻撃性の発言をくり返した。これに先立ち遊説現場で「ヒトラー」「こそ泥」のような低俗な言葉をやり取りをしていた様相をテレビでも再演した。ネガティブ戦を通じて支持層や浮動層にアピールしようとする意図だったが、このような水準なら、国民がなぜ貴重な夕方時間をわざわざ割いて討論を見なければならないのか。

比較的落ち着いて進められた討論序盤に、4人の候補はコロナで被害を受けた人々の損失を積極的に補償すると口をそろえた。ところが数十兆ウォンの財源用意案は具体的ではなかった。未来産業競争力の構想も候補がこれまで発表した公約を羅列する水準にとどまった。李氏は公約が国家債務を過度に増やしているという批判を意識してか、韓国が基軸通貨国に含まれる可能性が高いという趣旨の発言をして「IMF特別引出権(SDR)との違いも分からないのか」という厳しい指摘だけを受けた。尹氏は「デジタルデータ経済」を掲げたが具体的な内容が不足していた。国民の関心事である不動産政策や年金改革は特に取り上げられることもなかった。

候補は残り2回の法定討論では変わらなければならない。特に相手に回答の機会を与えなかったり、返事を拒否したりするなど基本ルールさえ守らないことは見苦しい。舌戦を繰り広げても最低限の品格は見せるべきだ。25日政治分野討論では葛藤の政治を解消するための協力政治と権力構造改編などに対する議論が行われるので期待したい。来月2日に行われる社会分野討論では、深刻なジェンダー葛藤解消策と首都圏・地方の均衡発展などに対する実行方案を巡り意見を戦わせてほしい。

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