会社の資金１８８０億ウォンを横領した容疑を受けているオステムインプラントの社員（４５）が警察に強制連行され姿を表わした。

警察は５日９時１０分ごろ京畿道坡州市（キョンギド・パジュシ）にある４階建て共同住宅でオステムインプラントの社員のイ容疑者を検挙し強制連行した。イ容疑者は６日午前０時４５分ごろ江西（カンソ）警察署に到着した。

毛皮のフードがついた青いダウンジャケットにマスクを着用して頭を下げたイ容疑者は「なぜ横領したのか」「横領した金で借金を返したのか」「共犯はいるか」など取材陣の質問には無回答で一貫した。

警察は業務上特定経済犯罪加重処罰などに関する法律違反（横領）容疑などを受けているイ容疑者を対象に本格的な調査を進める予定だ。

イ容疑者はこの日夫婦が住む４階ではなく空き家となっていた別の階に隠れていて警察に逮捕された。逮捕当時イ容疑者は容疑の大部分を認めたという。

警察はイ容疑者が建物に金品を隠していた可能性を念頭に、逮捕後も家宅捜索を進めた。

警察はイ容疑者を江西警察署に連行して調査を進めて被害金品を回収する方針だ。この日警察が押収した金塊は合計２２箱あったという。

警察はイ容疑者が金塊数百キログラムを購入して引き出した状況も把握して捜査している。現在の相場では金塊１キログラム当たり約８１００万ウォンで取引されているという点を考慮すると、金塊数百キログラムは数百億ウォン分と推定される。

警察はイ容疑者が横領した金を複数の口座に分散送金した状況も確認している。

インプラント韓国最大手のオステムインプラントは昨年１２月３０日に「イ容疑者が１８８０億ウォンを横領した」として告訴状を提出した。

警察は告訴状受理当日にイ容疑者を対象に出国禁止措置を下した後、防犯カメラの映像などを分析して行方を追っていた。

オステムインプラントはイ容疑者を業務上特定経済犯罪加重処罰などに関する法律違反（横領）容疑で告訴したと今月３日に公示した。

横領推定額は１８８０億ウォンで、同社の自己資本２０４７億ウォンの９１．８１％に達する。上場企業で発生した横領事件としては過去最高額と推定される。

オステムインプラント側は「イ容疑者の単独犯行」という立場だが、警察は共犯がいる可能性も念頭に捜査している。