【コラム】文在寅・朴槿恵政権の失われた10年(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2021.12.07 10:39
親文派、太極旗部隊ともに反発するかもしれないが、文在寅(ムン・ジェイン)大統領と朴槿恵(パク・クネ)前大統領はさまざまな面で似ていた。国民と意思疎通をしなかった。ファンダム政治を楽しみながら国民を「味方」と「敵」に分けた。「悪口を言いながら似ていく」という昔の言葉は間違っていない。特に経済分野で2人の大統領は共通点が多い。まず経済をよく知らない。関心が低ければ政策優先順位で後回しになる。両大統領の頭の中には政敵報復(現政権はこれを積弊清算と呼んだ)、前政権の政策の逆転、選挙での勝利、南北関係、検察改革などで満たされていた。経済を軽視したのだ。
朴槿恵政権当時に本格的な低成長に入って二極化が深まったが、危機感は見られなかった。朴大統領は参謀が書いた報告書に依存し、バラ色の青写真を描いて自画自賛に陥った。「経済民主化」の代わりに選択した「創造経済」については主務部処さえもその概念をまともに説明できなかった。
文大統領は環境を重視して「脱原発」を選択した。分配を優先して所得主導成長を強行した。環境を保護し、貧困層を助けるという純粋な気持ちだけでは世界10位圏の経済大国を率いることはできない。思い通りにいかなければ純粋な気持ちは消えて我執だけが残る。所得主導成長を支持するある学者の話を聞いてぞっとしたことがある。「1人あたりの国民所得が3万ドルだ。まともに分配されていないからこのような状況であり、年間3万ドルずつ均等に分ければ全員が幸せに暮らすことができる」。社会主義思考に驚いた。3万ドルを4万-5万ドルにどう増やすのかという考えがなく驚いた。第4次産業革命の中、井の中の蛙のように3万ドルに安住すればそれさえも守るのが難しくなる。