【グローバルアイ】犬事件には公憤、彭帥さん事件には沈黙…中国社会の素顔
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2021.11.26 14:28
ある老人が犬に噛まれたある事件がこの一週間、中国で大きな話題となっていた。なぜか。中国社会の素顔がここにある。
9月20日、中国河南省安陽市のあるアパート。コンさん(78)は散歩の途中にある女性が連れていた腰の高さほどの大型犬2頭に襲われた。首輪につながれた犬がすぐ近くを通り過ぎようとするコンさんに駆け寄り、一瞬のうちに背中に6カ所、腹に3カ所の咬み傷を負わせた。アパートの防犯カメラで母親が噛まれた当時の映像を確認したワンさんは犬の飼い主の家を訪ねたが追い返された。悩んだ末にワンさんは湖南テレビの視聴者情報提供番組『小莉幇助(Xiaoli to the Rescue)』に助けを求めた。
ただの地域の苦情かのように見えた事件は犬の飼い主の夫が安陽市の市場監督局高位職(2級)の王新剛氏(56)である事実が判明してから状況が一転した。公職者の家族の横暴と考えた莉記者が王氏の元を訪ねたところ、謎の男たちに追い返された。市場監督局でも「回答できることはない」という言葉にそのまま引き返さなくてはならなかった。警察もひとまず待つよう促す返事だけだった。助けてくれる機関はどこにもなかった。