国際人権団体のヒューマンライツウォッチ（ＨＲＷ）が中国のテニススター彭帥さんの安全を確認した国際オリンピック委員会（ＩＯＣ）も中国の人権侵害の共犯の役割をしたと非難した。

ロイター通信によると、ＨＲＷのソフィー・リチャードソン中国担当局長は２４日の記者会見で、ＩＯＣが中国の人権侵害に対し「積極的な共謀の役割」をしたとし、「ＩＯＣは人がどんな犠牲を払ったとしても北京冬季五輪を順調に開催することだけに熱を上げているという点を見せた」と主張した。

彭帥さんは２０１４年女子プロテニス（ＷＴＡ）ツアーダブルス世界ランキング１位まで上がったテニススターだ。ところが２日に自身のウェイボーを通じ「中国最高指導部（共産党中央政治局常務委員会）の一員だった張高麗元副首相と数年にわたり強要による性関係を持った」と主張した。

その後彭帥さんのウェイボーアカウントが閉鎖され、彼女の身辺に疑問を持つ声が大きくなった。ノバク・ジョコビッチさん、大坂なおみさんら世界的なテニススターも彭帥さんの安全を心配した。国連人権高等弁務官事務所と米ホワイトハウスまで乗り出した。バイデン米大統領は「北京五輪に対する『外交的ボイコット』を検討している」と明らかにすることもした。

これに対しＩＯＣは２２日、「バッハＩＯＣ会長が彭帥さんとビデオ通話をした」と明らかにした。約３０分間のビデオ通話で彭帥さんは明るく笑う表情を見せた。ＩＯＣによると、彭帥さんは現在北京の自宅で安全に過ごしており、自身のプライバシーを尊重してほしいとの考えを示した。しかし国際社会は彭帥さんが安全ということを依然として信じられずにいる。