【コラム】中国はなぜ「ゼロコロナ」にこだわるのか(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2021.11.15 13:28
新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)が世界を襲ってから2年が経とうとしている。地球村のこれまでの累積感染者数は約2億5000万人、死亡者数は約530万人に達する。絶望的な数字だ。しかしワクチンの普及に後押しされ、今や世界各国は段階的日常回復である「ウィズコロナ」政策を自国の事情に合わせながら推進している。ところがコロナが最初に発生した中国は相変らずコロナケースを1件たりとも認めない「ゼロコロナ」、「清零」政策に固執している。14億という人口の中で1人たりとも感染者発生も容認しないということだ。どうしたらこれが可能なのだろうか。中国はなぜこんなにも「清零」にこだわるのか。
中国は昨年5月、コロナ爆発の震央だった湖北省武漢を安定化させた後から、すぐに清零政策の施行に入った。中国式の防疫の特徴は大きく分けて3つある。一つ目は「封城」と呼ばれる地域閉鎖だ。ある地域にコロナ患者が発生すればその地域ごと閉鎖してしまう。マンションで感染者が発生すればマンション団地全体が、工場で発生すれば工場全体が閉鎖となる。はじめから都市全体を閉鎖することもある。他の地域からの出入りを完全に封じるのだ。ここにはどのような理由も通じない。また、予防的措置として海外出入国を厳格に統制する。習近平国家主席自ら昨年1月中旬以降、海外に出たことがない。