【社説】韓国政府の安易な危機管理が露わになった尿素水事態
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2021.11.08 12:02
名前もなじみが薄い物質ひとつのために韓国全土が悲鳴を上げている。軽油車(ディーゼル)が排出する媒煙を浄化する尿素水で、これがなければすぐに全国の物流の責任を担うトラックだけでなく産業用ダンプトラックと緊急を要する消防車とパトカーの相当数が止まるほかないためだ。想像もしたくないが、もし尿素水の在庫減少で韓国がまひすれば1日3000億ウォンに達する莫大な被害が予想される。実生活とあまりに密接に関連しているため、長期化すれば国民が耐えなければならない直接・間接被害は推定することすら難しい。
尿素水不足事態は韓国政府の危機管理能力の面で多くの問題を露わにしている。国民にとっては青天の霹靂のようだが、実際には今回の尿素水事態はすでに1カ月以上前の先月11日に中国が輸出検査を口実に尿素水輸出を制限して始まっていた。必要な尿素水の97%を中国に依存しているために中国の輸出中断はすぐにパニックにつながった。1カ月間で状況は悪化の一途だ。価格が10~20倍以上に上昇したのはまだ良い方で、代金を上乗せしても確保できずトラックが足止めを食う一歩直前だ。