韓国で国産クラフトビール熱風…日本ビールが抜けた穴を韓国産ビールが占領(1)
ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版2021.11.07 11:30
2日午後、ソウル・松坡区(ソンパグ)のあるコンビニエンスストア。冷蔵庫の「ゴールデンゾーン」にはさまざまなクラフトビールの缶がぎっしりと並べられていた。コンビニ業界でいうゴールデンゾーンとは消費者が冷蔵庫の前に立った時に目の高さにある3~4段目のことだ。ここに陳列された製品は消費者に選ばれる可能性が高いと同時に、最もよく売れる商品でもある。「景福宮(キョンボックン)」「光化門(クァンファムン)」「城山日出峰(ソンサンイルチュルボン)」などおなじみの地名をブランドにした韓国産クラフトビールの陳列場所はわずか1~2年前までは輸入ビールや大企業のビールが独占していた。コンビニスタッフのチョン・スンジェさんは「輸入ビール、中でもアサヒ、サッポロ、キリンなど日本のビールの人気が高かったが、昨年からは国産クラフトビールの販売が大きく増えた。今年に入ってからは種類がさらに多様化し、クラフトビールだけで冷蔵庫の4段すべてを埋める時もある」と話した。
クラフトビールが酒類市場の主流に浮上した。クラフトビールは大企業ではなく小規模ブルワリー(ビール醸造場)で作ったビールを指す。韓国のクラフトビール市場は2016年の311億ウォンから昨年は1180億ウォンと3倍以上に増加した。韓国クラフトビール協会は2023年には3700億ウォン台に成長すると予想した。多品種少量生産という限界から大企業のビールの亜流程度と考えられていたクラフトビールに異変が起きたのは昨年からだ。2019年の日本の韓国に対する輸出規制措置以降に日本製品不買運動の余波によるビール輸入量減少と酒税法改正など好材料となりクラフトビールが第2の全盛期を迎えた格好だ。これに対しビール輸入額は2018年の3億968万ドルから2019年が2億8089万ドル、昨年は2億2686万ドルと減少傾向が続いた。中でも日本ビール輸入額は2018年の7830万ドルから2019年に3976万ドルに急減したのに続き、昨年は567万ドルまで落ち込んだ。業界は不買運動により日本ビールの売り上げが急減し、その穴をクラフトビールが埋めたと分析する。