【コラム】帝国の条件
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2021.10.27 10:48
ドラマ『イカゲーム』やキムチ、長津湖(チャンジンホ)などに対する中国の態度を見ると、中国はまだ帝国の資格を備えることができていないようだ。いま中国で映画『長津湖』が大ヒットしているということはさておき、駐北朝鮮中国大使一行が23日に咸鏡道(ハムギョンド)にある長津湖の戦いを偲ぶ碑の現場を訪れて「抗米援朝精神」を叫び「中華民族の偉大な復興」を添加したことは理解し難い。中国のような大国が民族主義を掲げたこと自体がナンセンスだ。
帝国の条件には2つある。まず帝国に釣り合う広大な領土と人口という物的基盤が基本だ。次に、大国を維持するための内的統合力が必須だ。当然、多くの民族と人種、宗教と文化から最大公約数を探ろうとする統合的認識と葛藤解決システムを備えていなければならない。ところが後者の内的統合力もなく民族・人種の優越性を掲げて帝国を夢見ることがどれくらい恐ろしい結果を招くかを示す事例がドイツと日本だ。
アーリア人の血に優越性を求め、人種主義・全体主義を追求した第3帝国ナチスは人類が公認した悪の帝国として破滅した。日本は覚醒したエリートとこれに順応する民衆のコラボを通じて最高の費用対比効果で近代国家の仲間入りを果たしたが、彼らの認識の中には日本語と最も似ていた韓国語の存在さえ認められなかった。「アジア唯一の目覚めた国・日本」という極端優越主義は再びあってはならない原爆2発と東京の火の海を経た後、灰に終わった。ドイツと日本は帝国を夢見て拡張された種族国家を作ろうとした。