【コラム】過去最大の受注と言うのに船を作る人がいない=韓国(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2021.09.07 10:39
世界1位の造船大国がなぜこんな状況にまできたのか。低価格受注と労働法・政策が原因に挙げられる。低価格受注では人件費を上げるのに限界がある。それでも中国の低価格攻勢に対応しようとすれば受注価格を大きく上げることもできない。仕事を中国にすべて奪われる危険があるからだ。何より労働政策と労働法を批判するのをためらう現場関係者はいない。市場と呼吸する政策ではなく「政治性政策」が造船業の労働市場をゆがませているという不満が広がっている。
現代重工業協力会社であるヨンジンのイ・ジョンチョル代表はこのように話した。「いまは好況というが、それは発注量の好況だ。この前雇用労働部で雇用危機地域現場調査に来たが、『受注が多いので好況ではないのか』と話していた。とんでもない話をしないでくれと言った。人がいなくて確保できないのに好況だとは。数年前だけでも求職広告を出せば来たが、いまは最初からいない。本当にだめならば外国人クォータを解除してくれと言ったが、答がない」。労働政策に対する批判は続いた。「最低賃金があまりに上がり経営収支を合わせられない。特に造船は労働集約的産業だ。ある程度は生産性向上でカバーできるがほとんどが特別勤務のような追加時間で解決する。週52時間で縛られてそれもできない。年間90日の特別延長労働を180日に増やしてほしいと頼んだが効果はなかった」。