前国際オリンピック委員会（ＩＯＣ）会長だったジャック・ロゲ氏が２９日（現地時間）、亡くなった。享年７９歳。

この日ＡＦＰ通信によると、ロゲ氏の後任として２０１３年に選出され、８年間ＩＯＣを率いてきたトーマス・バッハ会長は、ロゲ氏死去の便りを伝えた。

バッハ会長は声明で「ジャックはスポーツ選手たちと共にすることを愛し、その情熱を彼が知るすべての人々に伝えた」と追慕した。

続いて「彼はＩＯＣの現代化と改革を助けた優れた会長だった」とし「クリーンスポーツを支持し、ドーピングに対抗し、疲れ知らずで戦った」と振り返った。

１９４２年ベルギー・ヘントで生まれたロゲ氏はベルギーのヨット国家代表として１９６８年、１９７２年、１９７６年３回連続で五輪に出場した。五輪出場選手出身としては初めてのＩＯＣトップの座についたロゲ氏は、スポーツ医学を専攻した整形外科医師であり、故郷の総合病院で整形外科長を努めて、ベルギーの大学でスポーツ医学科の教授として教鞭を取ったこともある。

１９９１年ＩＯＣ委員に選出されたロゲ氏はそれから１０年後に会長ポストに就き、不正腐敗をはじめ薬物、違法スポーツ賭博、八百長などに「非寛容原則」で対応した。

２００１年から２０１３年までの１２年間、ＩＯＣを率いたロゲ氏は特にドーピングやわいろの根絶に努め、「ミスタークリーン」という異名をとった。

ＩＯＣ会長職をバッハ氏に譲ってからは国連で青少年、難民、スポーツ特使として活動していた。